今回は国語の記述問題の解法について、記事を書いていきます。記述問題で使用する様々な約束事や「型」を紹介していきます。
記述の約束ごと
設問の内容・条件を印つけで確認
文末表現、字数などの条件を見落とすことが無いように、問を読みながら印つけしていきましょう。問いの内容がわかったら、本文の中から合う部分を探して、線を引いていきましょう。これが記述の基本的な動き方です。
問いに対する文末表現
問いに対応した「文末表現」を確認していきましょう。
- 〜とはどういうことか→〜こと。「〜事。」と漢字では書かない。
- 〜はなぜか。理由を説明せよ→〜から。〜ので。〜ため。
- 〜の気持ちを答えよ→〜な気持ち。または心情語で終わってもよい。
- 〜は何か→〜こと。または体言(名詞)止め。
字数についての留意点
①字数指定は「五文字刻み」が原則です。もし「50字以内」なら解答は46字〜50字になるのが望ましいです。「50字以内」なのに、38字しか書けなかったら明らかに不足していることになるのです。
②字数指定がない場合は、「解答欄の大きさ」から字数を推測して書きましょう。その場合の1字の大きさは記号の解答欄の1マスの大きさから推測すること。
③まずは「主語・述語」や「目的語(〜を、〜に・・)」が整った文章を書くようにしましょう。本文を読んでない人が見ても、わかりやすい文章にしなければなりません。
④自分の解答がもし明らかに字数不足で、「字数調整」をしなければいけない場合、次の要素を書いてみましょう。
- 具体的説明
- 原因・理由の説明
- 対立要素・並立要素の説明
指示語、比喩表現、物語のセリフはそのまま使わない
何を指しているのか不明な指示語は書かないこと。指示内容をきちんと説明することで、解答だけで意味が伝わる文章を書きましょう。
また説明文で「説明しなさい」と問われているときに、文中の比喩表現をそのまま引用してしまうのもダメです。必ず一般的な表現に置き換えましょう。
また物語文の記述を書くときは「 」内のセリフはそのまま使わず、言い換えましょう。例えば「ありがとう」ではなく、感謝と言い換えること。
記述の型①心情・性格の記述
物語文の中では「心情の記述」が頻出です。
「原因(理由)+心情語」が基本形
まず「うれしい、悲しい、うしろめたい」などの「心情語」を一語で思いつくことです。次に「心情語」の上に「原因(理由)」を乗せる。「原因」は事前の出来事から推測できます。
「原因(理由)」+心情語
上位校の長文記述では、心情が重なる場合もあります。
原因(理由)+ 心情①+ 心情②
心情語の語彙を増やそう
①心情が文中の表現で書かれているなら、その表現を優先的に使いましょう。その方が確実に模範解答に近くなります。
②心情語がない場合は「表情、動作、セリフ、情景」などの間接描写から判断し、自分で考えます。
この間接描写から心情語が思い浮かぶかどうかが実力の見せどころです。
自分がみんなより劣っているといじけていたら「劣等感」。
逆にクラスで一番出来て得意な態度は「優越感」。
他人から同情されれば「プライドが傷つく」。
苦しくても中学受験をやり遂げた「達成感」。
クラスの輪の中に一人だけ溶け込めない「疎外感」などなど。
心情語に自信がない子は、テキストやテストで出てくるたびに、ノートに意味・例文ともに書き写しておきましょう。面倒くさいでしょうが、書くことで覚えて、自分のものになります。
心情変化の記述
物語文では「心情変化」の記述が多く出題されます。↓これが基本形です。
心情A(原因)+(心情語)
→変化のきっかけ
心情B(原因)+(心情語)
心情Bからさかのぼっていく方が探しやすい場合があります。
性格(人物像)の記述
心情(嬉しい、悲しいなど)は、瞬時に変化しますが、性格(暗い、明るい、慎重、大胆など)は簡単には変化しません。性格=その人の人物像ととらえます。
性格のとらえ方のコツは、その人物が行った「人と異なる行動」を見つけて、性格語で言語化します。行動が複数ある場合は、共通する性質を言語化します。
人と異なる行動①、人と異なる行動②+(性格語)
人間の「二面性」をとらえる
人間の心情はプラスとマイナスで揺れ動く時があります。これを葛藤といいます。また人の性格にも「二面性」があり、一人の人間に長所と短所があるものです。
上位校の長文記述の場合、人物にある心情や性格を見つけたら、必ず別の面が書かれていないか確認するようにしましょう。「強い面」があれば「弱い面」もないか、「良い面」があれば「悪い面」もないか、必ず探る意識をもちましょう。別の面が見つかったら「逆接(〜だが)」や「〜一方で」でつないでまとめます。
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