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小6上巻12回「くらしと政治⑵」

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f:id:mejirorock:20210313015824p:plain 小6上巻12回

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今回は社会保障制度と財政についてです。あまり子供たちには馴染みのない世界ですので、新たに覚えなければいけないものがたくさん出てきます。

 

人口減少社会と少子高齢社会

 少子化の理由としては、結婚年齢が高くなる晩婚化(女性の平均初婚年齢は29.6歳:令和元年の統計)、そもそも結婚しない非婚化などが挙げられます。

合計特殊出生率とは一人の女性が生涯に産む子供の数の平均です。令和元年は1.36ですが、大体の数値は押さえておきましょう。人口を維持するためには2.06〜2.07ほど必要とされます。

出生率のグラフで1966年に大きく下がったのは、「ひのえうま」の迷信の影響といわれます。「ひのえうま生まれの女は、気性が激しく夫の寿命を縮める」という言い伝えがありました。それが嫌われたか、前年に2.14あった出生率が1966年には1.58に激減しました。次の「ひのえうま」は2026年です。

少子化対策としては、育児休業制度の充実などが唱えられています。男性社員も育児休業を取りやすいよう工夫している企業も増えてきたようで、イクメンなどという言葉も一時は流行語になりましたが、まだまだ十分に広がっているとは言えません。

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少子化の一方で、日本は世界トップレベルの長寿国です。まずこれは素晴らしいことで、その理由としては医学の進歩や食生活の向上が挙げられます。ただし日本の高齢者の割合は28%を超え、これを少ない生産年齢人口で支えなければいけない、という問題があります。

日本の社会保障制度

20世紀前半までは、社会的弱者は弱ればただ死んでいくだけでした。誰も助けてくれるものはいない。しかし第一次大戦後のドイツのワイマール憲法で、社会権の考え方が盛り込まれ、堕ちていく弱者を政府が積極的に援助しよう、という制度が先進国で生まれていきます。資本主義の発展に伴い、貧富の格差が大きな問題になっていたのです。

これを社会保障制度といい、我が国の憲法では25条生存権を基にしています。生存権とは「全て国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む」権利のことでした。

社会保障の4本柱

日本の社会保障制度は、4本の柱からなっています。

覚え方は「シャコシャコ(社公社公)」です。社会保険、公的扶助(生活保護)、社会福祉、公衆衛生の4本柱です。一番重要な「社会保険」を解説します。

社会保険が社会保障の8割を占めます。なぜなら国民みんながお世話になるものだから。

これは国や地方自治体に、ふだん(弱者になってない時)から万一の時に備えて、お金を納めておくのです。これを保険料といいます。そのことによって、自分が体調を崩すなどで弱者になった時に助けてもらえるのです。

 

①健康保険・・病気になった時に、病院の診察券と保険証を持って行きますよね。

あの保険証は、ふだんから保険料を納めている人だけがもらえるカードです。あのカードを見せると、お医者さんにかかった時にかかる費用(例えば1万円かかったとする)のだいたい3割(3千円)ですむ場合が多いです。

「一生俺はケガも病気もしねえ!」っていう自信がある人は、必要ないでしょうが、ふつうの人間は病気になりますよね。それに備えて、元気な時から万一に備えて保険料を納めておくと弱った時に助けてもらえるのです。社会保険ってそういうシステムだと思ってください。

日本は健康保険の制度が整っていますが、先進国でもアメリカのように充実した制度が存在しない国もあります。近年ようやくオバマ・ケアなる保険制度を導入しましたが欠陥も多く、見直しが叫ばれています。

 

②年金保険・・ある一定の年齢になった時(基本は65歳以上だが、まあ仕事を辞めて、収入がなくなった頃ぐらい)から、定期的に一定のお金が支給されます。女性は平均87歳、男性も平均80歳まで寿命があり、仕事を辞めてからも20年以上生きないといけない。そのための年金です。もちろんこれも健康保険と一緒で、若い頃から保険料を納めた人だけがもらえるものです。「俺はどうせ早死にするから、年金なんていらねえ!」という人は納めなくてもいいでしょうが、寿命なんてわからないものですから。

ただし財政が厳しいために、支給開始年齢の引き上げが議論されています。

 

③雇用保険・・会社をクビにされることもあります。これをリストラといいます。クビでなくても自己都合で辞めなければいけない状況になる場合もあります。収入ゼロじゃあ困りますよね。

次の仕事を一刻も早く探さなければいけませんが、就職って難しいんですよ。お父さんお母さんに聞いてみましょう。履歴書書いて、面接行って。年齢が高くなればなるほど就職は厳しくなる。「年齢の数だけ履歴書は書かなければいけない」と昔から言われます。つまり35歳の時に、再就職しようと思ったら、35社は周らないと就職できない、ということ。40歳なら40社か。

40社も周っている間の生活費を、この雇用保険でまかないます。これは自治体の「ハローワーク」という施設に申請に行くともらえるようになります。金額は年齢や元々の所得によって変わりますが。「ハローワークにこよう(雇用)!」と覚えましょう。

 

④労働者災害補償保険・・・「労災」と言われます。仕事中のケガなどした場合に支給されます。

⑤介護保険・・2000年から導入された、比較的新しい社会保険です。高齢化にともない、病気などで寝たきりになってしまい、ホームヘルパーなどが必要な高齢者が増えてきました。

ただしヘルパーさんに来てもらうにもお金がかかります。ということで超高齢社会に対応するため、介護が必要な高齢者に、その病状の重さやその人の経済力に応じて必要な金額を市町村が支給していきます。40歳以上の人が積み立て、65歳以上で介護が必要な人にサービスが提供されます。

 

なお「生命保険」や「災害保険」は、各自が必要に応じて民間の保険会社と契約するモノです。民間の保険会社とはたとえば「日本生命」「第一生命」「東京海上日動火災」など。

国や地方自治体が運営する「社会保険」と混同しないようにしましょう。

 

 ともに生きる社会

男女雇用機会均等法は、「職場における男女差別をなくすことを目指した法律」です。1985年制定。これは同年に、日本が女子差別撤廃条約を批准したことによります。

以後の改正によって、性別を特定するような表現での求人募集は禁じられました。

  • 看護婦→看護師
  • 保母→保育士
  • スチュワーデス→客室乗務員(フライト・アテンダント)
  • 営業マン→営業職
  • 婦人警官→女性警察官

堀ちえみの「スチュワーデス物語」ももはや放送できませんね。

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男女共同参画社会基本法は、「性別にかかわりなく個性と能力を発揮できる社会」を作ることを目指す法律です。1999年に施行されました。「男は仕事、女は家庭」のような固定化された役割分担を変えていくことを目指すものと理解しています。どの自治体にも「女性センター」みたいな施設があって、本がたくさん置いてあります。ちょっと近寄り難くて行ったことはないですが。

ジェンダーフリーも結構なんですが、トランスジェンダー女子(心は女性だが、肉体的には男性)が女子スポーツ大会に出場して圧勝、とかをニュースで聞くと、これはフェアなのか?と思いますね。スカート男子とか、正直ついていけない。最近のジェンダーは一般的な感覚から理解されないスピードで暴走してるという印象ですね。

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財政の働き

まず我が国の財政の規模を知っておきましょう。だいたい102兆円。そのうち「歳出御三家」と称されるのが①社会保障関係費、②国債費、③地方交付税交付金です。

①社会保障関係費は、超高齢社会の日本ではどうしても増大してしまうものです。年間35兆以上の巨額を投入しています。

②の国債費について。「債」には借りるという意味があります。政府の税収が少ない時に債券(国債)を発行して買ってもらい、不足分を補うことがあります。当然、借りた金は利子をつけて返さなければなりません。これが国債費で年間20兆以上を投入します。

③ の地方交付税交付金について。日本は人口分布に偏りが大きく、地方自治体に税収格差が出るため、住民へのサービスにも偏りが出がちです。

その格差を少なくするため、税収の少ない自治体への補助金を出しており、これを地方交付税交付金といいます。使い道は自由。ちなみに最も裕福な自治体は東京都ですが、東京都には交付金は支給されていません。

また国から地方への補助金として「国庫支出金」というのもあり、交付税との区別が必要です。

地方交付税→使い道自由

国庫支出金→使い道指定

 国庫支出金の使い道の具体例としては、義務教育や道路整備、生活保護などに使われる場合が多いようです。

 

歳入(政府の収入)については税収が6割、残りは公債金(政府の借金)となります。

借金を減らし、財政を健全化するために、「増税」「歳出削減」などが叫ばれていますが、必ずしも正しいとは言えない。

たとえば消費増税を強引に進めて5%も税率を上げましたが、これはアベノミクスを腰折れさせたと思います。税率を上げたことによって、消費のマインドが冷え込み、かえって税収が伸び悩むことがあり得ます。

また歳出削減も、公共事業がやり玉に挙げられがちですが、巨大災害の危険性が常にある我が国にとってはインフラ整備やメンテナンスは生命線。短期的には無駄に見えても長い目で見て、必要性を検討すべきですね。「コンクリートから人へ」とか蓮舫の「事業仕分け」とか、政治家の人気取りに使われることが多いのは残念です。

 

税をめぐる問題

まずは国税か、地方税か。また直接税か、間接税か。2つの分類の仕方を覚えておきましょう。

 

直接税

間接税

国税

所得税、法人税、相続税・・

消費税、酒税、関税、たばこ税・・

地方税

住民税・・

地方たばこ税・・

 

所得税は個人の収入に対してかかる税です。税率は、所得が多くなるほど段階的に高くなる累進課税となっており、支払い能力に応じて公平に税を負担する仕組みになっています。また会社に勤めている人などは、勤務先の会社があらかじめ本人の給料から所得税を差し引いて、本人に代わってまとめて納税する源泉徴収制度を行なっています。これはナチス時代のドイツで始められ、すぐに先進国に普及しました。納税にかかる手間を省く利点はありますが、納税者意識が薄れるという欠点も指摘されています。

消費税は商品やサービスの提供に対してかかる税金です。負担するのは消費者ですが、納税するのは事業者(お店の人)です。このように負担する人と、納税する人が違う税を間接税といいます。現在の税率は10%です。