
経済のことばの意味を理解しよう
そもそも経済とは「人間社会におけるモノやサービスとお金のやり取りのこと」です。
モノ=形のある商品のこと。(鉛筆、机、テレビなど)
サービス=形のない商品のこと。(電車に乗る、髪を切る、授業を受けるなど)
確かに塾で授業を受けているけど、「授業」って物体ではないですよね。あれは形のない「教育サービス」になります。形のないものにも、料金は発生します。
①生産と消費、流通とは
生産とは「リンゴ」や「自動車」など、生活に必要なものをつくることです。「リンゴ」など農作物を生産するのは「農業」、「自動車」など機械類を生産するのは「工業」です。

消費は、「消費税」なんて言葉で聞いたことあると思いますが、モノを買ってきて使うことです。しかし、ここで大きな問題が起きます。

「リンゴ」を青森県まで買いに行くの?



東京から?行けっこないじゃん



「車」を愛知県まで買いに行く?



むり!
そこで、生産物を消費者のそばまで運ぶシステムが必要になります。これが流通です。
モノは生産されたのちに、いったん問屋さんなどの卸売業者の元へ行き、そこから必要な数だけ小売業者におろされます。この小売店というのが、みんなの家のそばにあるコンビニやスーパーなどの「お店」のことです。これが「商業」です。
②需要と供給の仕組み
供給とは企業などが、「商品を生産し売ろうとする動き」のことです。
たとえばゲーム会社が、すごいゲームを作ったとする。発売日には大行列。
みんな欲しがります。この消費者の「商品を欲しがり、買おうとする動き」を需要と言います。


上の図では、大人気ゲームで殺到しています。人気すぎて入手できないかも。でも一刻も早く手に入れてやりたい!「少しぐらい高くてもいいから手に入れたい!」と思います。
供給<需要⇨価格は上がる


上の図は、まったく反対の状況です。ゴミゲームで全然売れない。でも売れ残っても困るから、カゴに入れて「1個500円セール」とかで叩き売りをしないといけない。でもそういうゲームって本当つまんないものしかないんですよね。500円でも要らない。で、売れ残っちゃいます。
供給>需要⇨価格は下がる
③インフレとデフレって?
インフレーション(インフレ)・・「物価が上がり、お金(貨幣)の価値が下がること」です。
インフレって好景気すぎる時に起こりやすいのです。景気が良ければ、給料(賃金)も上がります。給料もらえて購買力も上がり、モノも売れます。モノの値段(物価)も上がっていきます。


そのうち賃金のアップ率を、物価上昇率が上まわっちゃうなんてことが発生します。これがインフレですね。
つまり「今月は給料(賃金)上がって100万円もらえた〜!やったぞ!」って思って買い物にいきます。ところがモノも高くなっている。「何〜!牛丼1杯10万円?なんや、そりゃ?」ということになる。(これは大げさな例ですけど)
これじゃ給料100万もらえても意味がない。月に牛丼10食しか食べられない。物価が上がりすぎて、お金の価値が相対的に下がってしまっているのです。
これが、「物価が上がり、お金(貨幣)の価値が下がること」ということの意味です。
ちょっと大げさな例でしたけど、世界ではこのようなハイパーインフレと呼ばれる事態が、実際に起こったことがあります。日本でも太平洋(大東亜)戦争敗戦直後、ハイパーインフレに見舞われました。
第一次大戦後のドイツでは、パン1個が1兆マルクとなる事態が発生、100兆マルク紙幣が印刷されました。100兆マルクって何??しかもこれでもパン100個しか買えない。すると1万円ぐらいの価値ってことですか。
ハンガリーではさらに恐るべき事態が。みなさん「京(けい)」の上の単位って知ってますか?そう「垓(がい)」ですよね。ハンガリーでは10垓ペンゴ紙幣(日本橋の貨幣博物館で展示)が印刷されたことがあるそうです。ここまで経済がおかしくなると、紙幣も単なる紙くずに過ぎなくなります。


デフレーション(デフレ)・・「物価は下がり、お金(貨幣)の価値は上がること」です。
デフレって不景気の時に起こりやすいのです。


景気が悪化すると、このままでは倒産するから企業は「安売り!牛丼1杯50円」とか大セールを行います。「おお!安いじゃん。食べに行くか〜」とお客さんは集まるようになるでしょう。しかし安売りのやり過ぎは「自分の首を絞めること」につながっていきます。なぜなら牛丼1杯50円じゃ利益が出るわけないからです。
するとしわ寄せは店員さんにいきます。「来月から給料下げるけどいいかな?」「今月いっぱいで辞めてもらうから(リストラ)」となり、失業者が増えます。
失業者が増えると、社会全体の購買力が下がっていき、モノもますます売れなくなる。物価は下がってるけど、自分も失業してお金がないからなるべく買い物をひかえる。ますますモノは売れなくなる。
これを「デフレ・スパイラル」と言います。バブル以降、日本はこのデフレ地獄に苦しめられてきました。どんどんどんどん下がっていく悪循環にハマっていったのです。
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