糸魚川といえばフォッサマグナと翡翠ですね。1994年に開館したフォッサマグナミュージアムに来てみました。
フォッサマグナ・ミュージアム
糸魚川は2009年に日本初の世界ジオパークに登録されました。ジオパークとは世界的な価値ある地形や地質、それと関連した自然や文化を保護し、多くの人に知ってもらう大地の公園です。
翡翠(ヒスイ)がお出迎えです。
緑色翡翠「翠の雫」です。2003年に糸魚川市小滝川で発見され、その美しさが話題になりました。
ヒロさんコレクションです。横浜市の理科教員・小林浩之氏が、永年足繁く糸魚川に通って採集した翡翠のコレクションです。小林氏は2010年、翡翠採集中に高波にさらわれ、帰らぬ人となりました。
翡翠取りの名人として知られた故・扇山ヨシコさんのコレクションです。
翡翠が誕生したのは約5億年前に古生代カンブリア紀です。約7000年前の縄文時代早期から道具として利用されるようになりました。
しかし約1200年前の奈良時代中期、東大寺法華堂の不空羂索観音の宝冠に使われたのを最後に、翡翠は使われなくなりました。
いつしか人々は糸魚川の翡翠のことを忘れていきました。
糸魚川の翡翠を再発見したのは、地元の詩人・相馬御風でした。御風は「古事記」などでこの地を治めていたとされる奴奈川(ぬなかわ)姫が持つ翡翠が、地元の糸魚川産でないかと考えたのです。その考えを聞いた地元の伊藤栄蔵は、小滝川で翡翠調査を始めました。そして調査二日目にして美しい緑色の石を発見したのです。1938年8月のことでした。
次はメインのフォッサマグナについて見学していきます。日本列島の真ん中には、「大きな溝」があります。ドイツ人地質学者のナウマン博士がこの「大きな溝」を発見し、フォッサマグナと名づけました。フォッサマグナとは、ラテン語で「大きな溝」を意味します。
糸魚川-静岡構造線は、日本列島を分ける断層であり、フォッサマグナの西側の境界断層でもあります。
CG映像が分かりやすかったので撮影してみました。
これが現在のフォッサマグナの様子。中央部を富士山など火山の列が貫いています。
甲府盆地からさらに北へ、諏訪湖が見えてきました。
糸魚川へ到着。
フォッサマグナは大きな溝のことであり、ここに地層が6000メートルも溜まって現在の姿になりました。
フォッサマグナがどのように出来たか見てみましょう。
2000万年前、日本列島は大陸の一部でした。
マントルからの熱い上昇流によって火山活動が起こり、アジア大陸が裂けはじめて日本海と日本列島ができます。
日本海は大きな湖だった時代もあったわけですね。
その証拠に淡水魚や昆虫の化石が見つかります。
日本列島はやがて分断され、フォッサマグナとなる海峡が誕生します。
フォッサマグナが海になった証拠として、ニシンやスズキなどの魚の化石が見つかります。
フォッサマグナの海底では、火山活動が盛んになり、火山灰、砂岩、泥岩がたまっていきました。
1200万年前、フォッサマグナは埋め立てられ、日本列島は再び繋がりました。
その後もマグマが上昇し、火山群が出来て現在の地形が出来上がりました。
よ〜く分かりました。
これがフォッサマグナの発見者・ドイツの地質学者のナウマン博士です。お雇い外国人として弱冠20歳で来日。東京帝大地質学教室の初代教授となって、地質家を養成し、日本列島の地質調査に尽力しました。
これがナウマン愛用の椅子。野尻湖のナウマン象は、日本で初めて象の化石研究を行ったナウマン博士にちなんで名付けられました。
これはアフガニスタン産のラピスラズリ!フェルメール・ブルーで有名な青ですね。
しかし紛争国の鉱石は、少年を労働に行使したりとよろしくない状況もあるようです。
想像以上に勉強になりました。
フォッサマグナ・パーク
次にタクシーで移動して、フォッサマグナ・パークにやってきました。
これです!断層露頭です。
糸魚川静岡構造線を人工的に露出させて断層の状態を見学可能にしたものです。
断層破砕帯を境として、東日本側の岩石(約1600万年前)と西日本側(約4億年前)の岩石が接しています。
こちらは断層のはぎ取り展示です。
枕状溶岩です。
海底火山の噴火によって約1400万年前に形成されたそうです。
いいもの見れました。タクシー使った甲斐があった。
JR根知駅
大糸線で糸魚川に帰還します。
JR糸魚川駅
久比岐自転車道のイメージキャラ。ちょっとクールで普通の萌えキャラと違いますね。
奴奈川姫の像です。
「古事記」や「出雲風土記」に伝わる高志国(現在の福井〜新潟)の姫と言われます。
大国主命に求愛され、結婚したとか。
糸魚川ジオステーション ジオパル
駅に鉄道展示がありました。
ミニSLくろひめ号です。
キハ52です。実車が待合室として使用されてます。
2010年まで大糸線で活躍していたんですね。
トワイライトエクスプレス再現車両です。
豪華寝台列車の先駆けとして、大阪〜札幌間を結びました。
すごく豪華です!
新潟県内では直江津、長岡、新津駅に停車しました。
ジオラマ模型ステーションもありました。
糸魚川駅。
海の上の高速道路!鉄ヲタだけでなく家族でも楽しめそうですね。
糸魚川駅のいいところは駅の3階に新幹線乗り場があって、移動が楽なこと。新駅とかに移動しないといけないケースが多いからね。
それにしてもよく糸魚川に新幹線を停めたね。強い政治家でもいたのでしょうか。
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