首都圏外郭放水路
埼玉県春日部市の首都圏外郭放水路にやってきました。東武アーバンパークライン大宮駅です。アーバンパークラインって切れ目も分からないが、アーバン・パーク・ラインなんですね。何のことか分からなかったですが、正体は東武野田線でした。
南桜井駅。ここから目的地まで約30分歩きました。
駅からひたすら歩いて到着しました。
埼玉県春日部市、「地下神殿」として有名な治水施設にやってきました。
このグラウンドの下に地下神殿があるのか。
庄和排水機場・龍Q館
この中に見学会の集合場所の龍Q館があります。ネットで予約済みです。
1階は放水システムに関する展示がされていますね。
ここの窓口で見学料金を払います。立坑と地下神殿のセットで3000円でした。
2階が集合場所。地層タワーを見ながら上がっていきます。
工事の際に発見された地層で、下部は12.5万年前で、上部は5000年前くらいのものらしい。
2階には中央操作室があり、ガチで操作してる様子が見れます!
ここの20ものモニターで施設各所を監視し、操作することが出来ます。
カッコいい。
あまりにカッコいいため、特撮や映画の撮影にも使用されているようです。仮面ライダーの基地には最適ですね。
完成時、扇千景が大臣だったのか。キップのいい女性大臣でしたね。
この地域(中川、綾瀬川流域)は北の江戸川、南の荒川の大河に挟まれた皿のような低平地です。この緑っぽい地域です。
この地域はひとたび大雨に見舞われると、洪水で危険な状況になりがちでした。
都市化が進行して、保水機能を持つ田畑が減少したことも原因の一つです。
そこで、豪雨時の浸水被害を軽減するために、地域の河川をコントロールして江戸川に排水するシステムが構築されたのです。下は江戸川です。
筑波山が見えます。
近隣の河川から5つもの立坑に水が流入します。それを地下50メートル、全長6キロに及ぶトンネルで流していきます。
それを「地下神殿」こと調圧水槽で受け入れ、水の勢いを弱めます。
水槽に溜まった水を排水機場のポンプで、江戸川に排水します。ポンプは航空機用のガスタービンを改造して造った強力なもので、プール25メートル1杯分の水を1秒で排水できます。
第一立坑
さあ、まず第一立坑を見学していきましょう。
ヘルメットとキャットウォーク歩行用のベルトを着用します。
ここがキャットウォークです。
この立坑は深さ70メートルの高さ。スペースシャトルや自由の女神がすっぽり入る高さです。
キャットウォークを歩いていきます。
ベルトは壁面と繋げるようになってるので安全です。
内径は30メートル。
階段で途中まで降りて見学も出来ます。
近隣の中川、倉松川、大落古利根川などからの増水が流れ込みます。
だいたい年7回程度稼働しているようです。
調圧水槽が見えます。
この後、見学する地下神殿です。
調圧水槽(地下神殿)
続けて有名な地下神殿を見学していきましょう。
これだ、これ。
高さ18メートル、重さ500トンの巨大な柱が、なんと59本もあります。
地下神殿は長さ177メートル、幅78メートルの広大さを誇ります。
ここで水の勢いを弱め、江戸川に水をスムーズに流せるようにします。
さっきまでいた第一立坑が見えますね。
天井の穴からブルドーザーを下ろして、溜まった土砂を排除するようです。
これはイスでなく、ブルドーザーの足止めなのです。
浸水被害の軽減効果は、過去18年間で約1484億円分軽減したと推定されています。
2019年の台風19号の時に、この地域は氾濫危険水位を越える出水となり、首都圏外郭放水路は歴代3位のフル稼働を行いました。
あの年の台風19号は、大被害をもたらした1982年の台風18号より強力な台風だったのにもかかわらず、浸水戸数は9割減、被害額は約264億円減という、驚異的な軽減効果がありました。
一時、公共事業は随分と悪者扱いされていました。「コンクリートから人へ」などと。左翼は本当に民衆の扇動に長けている。しかし災害大国の日本にとって、耐震と治水は生命線。平時には無駄遣いのように見えても、いざという時に国民の生命・財産を守ってくれるものなのです。
見学後はまた30分かけて、歩いて駅に到着。いい勉強といい運動になった。
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