甲府駅
山梨県の甲府にやってきました。数年ぶりです。

武田信玄像です。甲府と言えば信玄公。

仙台なら政宗、土佐なら龍馬、鹿児島なら西郷。

これらと並ぶほどの定番の英雄です。

武田神社
北口から出るバスで 武田神社にやって来ました。

武田家の躑躅ヶ崎館の跡地が神社となった姿です。

躑躅ヶ崎館は信玄の父・武田信虎によって作られ、信虎・信玄(晴信)・諏訪勝頼の三代、甲斐武田氏の居館となりました。

大正時代の1919年に武田神社となりました。米沢の上杉神社への対抗意識もあって、神社創建運動が盛り上がったそうです。




拝殿を参拝しました。


信玄公、日本をお守りください。


信玄公御使用の井戸です。

古くからある井戸なんですね。

神社の東方面を散策しました。この辺が大手門東です。

この大手門側が躑躅ヶ崎館への入り口だったと考えられています。

「人は城、人は石垣、人は堀。情けは味方、仇は敵なり」と考える信玄は大きな城郭を作りませんでした。

武田滅亡後、豊臣政権により巨大な甲府城が建設されます。

こちらは宝物殿です。

武具や書簡など貴重な史料が展示されます。撮影は禁止でした。

甲陽武能殿という能楽堂です。



信玄ミュージアム
2019年に信玄ミュージアムがオープンしました。



でも掘立小屋にパネルを置いただけ、という完成度でした。今後に期待ですね。

お土産ショップです。

名物「信玄アイス」は絶対食べたかった。

キナコに黒蜜。夢中で食べて頭が激痛になった。これだけで満足です。

さて朝日通りのホテルで一休みしてから、夜の散策に出かけました。

太宰治新居跡
御崎町というところに、太宰治が甲府時代に住んだ住居跡があります。

「富嶽百景」でお見合いをした石原美知子さんとの新婚時代に住まったようです。夫妻は1939年1月6日にここに引っ越しました。

もっとも1年と住まず、その年の9月には荻窪に引っ越してしまいます。
喜久乃湯温泉
そばに銭湯がありました。

ここは太宰治が甲府時代に通った銭湯なのです。


昔ながらの昭和の銭湯でしたよ。

いいお湯でした。
清運寺
翌朝、清運寺というお寺を発見しました。

一見なんの変哲もない寺なんですが。

このお寺には・・

千葉佐那子さんのお墓があるのです。

坂本龍馬の江戸・千葉道場修行時代、恋仲だったと言われる女性です。司馬遼太郎「竜馬がゆく」の読者にはお馴染みキャラです。

さな子は龍馬の死後も生涯独身を守り、千住で鍼灸院を営み、1896年に59歳で亡くなりました。無縁仏となることを哀れんだ甲府の友人によって、この地に墓所が置かれたそうな。

近年の研究で、さな子がのちに結婚していた説が出てきたらしいですね。生涯操を守ったんじゃあまりに哀れだと思ってたので、是非そうであって欲しい。
山梨県立美術館
さて今日は美術館巡り。バスで出かけて行きます。

さあ着きました。

山梨県立美術館はフランス・バルビゾン派の大家ジャン=フランソワ・ミレーの充実のコレクションで知られます。




まずは何はともあれミレー館から見ていきます。

ジャン=フランソワ・ミレー「ポーリーヌ・V・オノの肖像」
1841〜1842年の作品です。

ミレーの最初の妻。モナリザっぽい肖像画のキメのポーズです。彼女は身体が弱く、結婚して数年で子供もなく夭折しています。
ジャン=フランソワ・ミレー「鶏に餌をやる女」
1853〜1856年の作品です。

農家の日常生活を描いています。
ジャン=フランソワ・ミレー「種を蒔く人」
1850年の作品です。

山梨県立美術館の至宝。同じテーマの作品がボストン美術館にもあります。当時コレラが猖獗を極めたパリを逃れてバルビゾン村に居を移したミレー。同様に疎開した画家仲間とともに「バルビゾン派」を形成していきます。この作品はミレーがバルビゾンに転居して最初の作品でした。しかしパリの保守派には、「社会主義的」と取られ叩かれてしまいました。後に岩波書店のマークに採用されるぐらいなので、政治的メッセージが強く感じられたのかもしれません。
ジャン=フランソワ・ミレー「眠れるお針子」
1844〜1845年の作品です。

モデルのカトリーヌはミレーの後妻となり、9人の子をなします。裁縫をする女性はミレーの好みのテーマです。
ジャン=フランソワ・ミレー「夕暮れに羊を連れ帰る羊飼い」
1857〜1860年の作品です。

この時期のミレーが好んだテーマです。夕陽が美しい敬虔な雰囲気の作品です。ミレー自身はカソリックでしたが、ミレーの勤勉で敬虔な世界観は北米プロテスタント社会で熱烈な支持を獲得していきます。
ジャン=フランソワ・ミレー「古い塀」
1862年の作品です。

日本画もたくさんありました。
穴山勝堂「土用波」
1939年の作品です。

横山大観「夏之霊峰」
1941年ごろの作品です。

四季の富士の四部作があります。
石井精一「畳の記憶B」
1975年の作品です。

ちょっと騙し絵っぽい。
ミュージアムショップ




レストラン

ミレーの種をまく人アート・ドリア!

食後はバルビゾンの庭を散策です。

アンリ・シャピュ「ミレーとルソーの記念碑」
1884年の作品です。

ミレーとその盟友テオドール・ルソーです。

オシップ・ザッキン「ゴッホ記念像」
1956年の作品です。アルル時代のゴッホだそう。

佐藤忠良「カモシカと少年」


佐藤正明「ザ・ビッグアップルNo.45」
2008年の作品です。

舟越保武「花を持つ少女」
1966年の作品です。

美術館内にも、舟越保武の「EVE」という美しい作品が展示されて心ひかれました。舟越保武は田沢湖の「たつこ像」や、釧路・幣舞橋の「春の像」でも知られる日本を代表する彫刻家です。
オーギュスト・ロダン「クロード・ロラン」
1880〜1892年の作品です。

アリスティード・マイヨール「裸のフローラ」
1911年の作品です。


文学館もちょっと覗いてみました。



文学館では山梨県に関係ある作家についての資料が展示されていました。太宰治、芥川龍之介、山本周五郎、樋口一葉、飯田蛇笏など。
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