北海道産業巡り【室蘭市、苫小牧市】

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あえて観光都市ではない工業都市を訪問して行こうと思います。社会科見学っぽい?一日にするつもりです。

札幌から道南バスで南下し、室蘭市を目指すことにしました。 札幌から室蘭は道南バスで2時間ちょっとです。片道2600円なり。

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目次

東室蘭駅

室蘭市の旅の玄関口は、「東室蘭駅」です。ここからタクシーを拾って、観光を始めて行きたいと思います。

何しろ観光都市じゃないので駅前でタクシーのドライバーの親父さんと交渉して、室蘭名所を一通り回ってもらうことにしました。地元の運ちゃんは、色々教えてくれるから面白いし、ためになるんだよね。

この赤いのは、東口と西口の連絡通路のようですねえ。

まずは室蘭市といえば「鉄の町」。新日鐡の企業城下町として発展しました。もうもうと立つ煙りは、昔も今も変わっていません。新日鐡の「領土」はすごい広さだね!

日本製鉄 室蘭製鉄所

2019年から社名が「日本製鉄」に変わりました。

新日鉄が住友金属と合併して「新日鉄住金」になり、今度「日本製鉄」になった。

色々と眺望の良さそうなところから撮影してきました。

夜景で見ると綺麗らしいですけどね。工場夜景って実はまだ見たことないんすよね。

室蘭市の一番いい時代は、やはり高度経済成長の頃だったらしいですね。人口も17万以上いたようです。今は大体半分といったところです。

このへんは原料かな。製鉄業は鉄鉱石、石炭、石灰石が原料となります。

トッカリショ

次に室蘭八景の「トッカリショ」に行ってもらいました。

トッカリショとはアイヌ語で「アザラシ岩」という意味らしいですね。

漁場として使われていたそうです。

とんがってますね!

地球岬

さて室蘭市の唯一の(と言ったら失礼ですが)観光名所が、「地球岬」です!

名前はアイヌ語の「ポロ・チケプ」(断崖)に由来しており、それが訛り、転化して一般的に地球岬と呼ばれています。

この水平線は圧倒的です。

ありがち「幸福の鐘」だそうですw

ここだけはふつうに観光客もいました。中国系が多かったかな?多分登別に泊まって、ついでにここに来てるんでしょうね。

地球岬灯台は1920年につくられたそうです。運と天気が良い日は、クジラやイルカの群れを見ることができるようです。

 地球岬名物「毒まんじゅう」ってなんじゃ、こりゃ!!

実は6個か7個入りの饅頭の中に、ひとつだけ唐辛子入りが含まれているとか!「何度もテレビで取り上げられるほど、有名なんだよ」と店の親父さんがなぜか勝ち誇ってたけど。全然知らなかったよ。

測量山山頂

 1872年に「札幌本道」(現在の国道36号線)を建設する際、アメリカ人技師ワーフィールドが測量をするため登ったことから、「見当山」と名付けられ、のちに「測量山」と呼ばれるようになったそうです。

海抜199mあり、キツいですw

展望広場に登ってみました。

テレビやラジオの送信所があります。

ここは室蘭の港を一望できる絶景スポットです。

白鳥大橋が見えます。

フェリーが見えますね!実はこの旅行の2ヶ月前の2018年6月に室蘭〜宮古(岩手)間のフェリー航路が就航しました。

正直「誰が使うんだよ」とこの時は思ったのですが(失礼!)、なんとこの旅行の1ヶ月後に北海道を襲った大地震の際に、この航路が救援部隊や支援物資の輸送に大活躍することになります。重ね重ね失礼しました!

白鳥大橋

「白鳥大橋」の対岸にきました。通行無料の自動車専用道路になっています。

この橋のおかげで、対岸の絵鞆半島と結ぶことができ、30分以上の時間短縮が可能になったそうです。

当初は有料道路にしよう!という案もあったらしいが、「有料?  じゃあ、いらね!!」という意見が多く、無料化されたとのこと。この橋の建設に尽力したとされるのは鳩山由紀夫元総理大臣ですね。

対岸にJXTG室蘭製造所が見えます。石油の精製をしています。

夜景は絶品だそうですね。

 室蘭名物グッズの「ボルタくん」です。さすが鉄の町や。さまざまなバージョンがあるんすね。

ライトフィルダー、イチロー・スズキ!

ヴァイオリン弾くボルタくん。

東室蘭駅からJR室蘭本線を使って、約一時間で苫小牧駅に移動します。

綺麗な一直線の線路です。

苫小牧駅

苫小牧をまわって、ここで1泊します。

苫小牧市も、室蘭市と同様の産業都市で、製紙パルプ業や石油精製業などが盛んな町として知られています。

室蘭の時と同様、駅前でタクシーの運ちゃんと交渉。観光タクシーをやってもらうことにしました。

勇払(ゆうふつ)開拓史跡公園

まずは苫小牧の歴史を訪ねて、「勇払(ゆうふつ)開拓史跡公園」へと向かいます。

苫小牧のひとつ隣の駅の、勇払(ゆうふつ)地区のはずれに位置する「勇払開拓史跡公園」には、蝦夷地の開拓にかかわった合計29人分の墓石がまつられています。

苫小牧が現在の繁栄に至るまでは、長年の開拓の歴史がありました。まずは江戸時代の寛政期の「八王子千人同心」の話までさかのぼります。

18世紀末の、ロシア使節ラクスマンの根室来航以降、幕府は北方対策を真剣に考え始めます。

そしてついに1799年、幕府は松前藩から蝦夷地を召し上げ、直轄地としました。

翌年、半士半農の八王子千人同心が、蝦夷地の防衛と開拓を幕府に願い出て、組頭 原半左衛門を隊長に、同心子弟100人を伴って蝦夷地に入りました。

しかし移住した同心たちの生活は、苛酷な環境の中で困難を極め、2年目にして死亡する者16人、病にかかり帰郷する者や自殺する者など多数の脱落者を出し、4年で中止となってしまいました。

移住者の25%が病死するという悲劇的な結末を迎えてしまいました。

下の画像が、千人同心の河西祐助という人の妻・「お梅さん」という女性のお墓です。

このお梅さんという人は25才の若さで、幼な子を残して病死をしており、無念からか成仏出来ず、化けて出るという伝承もあります。

ある日、夜中に家の戸を叩く音がして、外から「この子にお乳を・・」という声がする。慌てて戸を開けてみたら、誰もいない。これが世にも哀れな「夜泣きお梅」の伝承です。

札幌の本郷新美術館で見たこの人がお梅さんです。

墓地の奥には地蔵尊がありました。

勇武津資料館

同じ敷地に資料館もあり、開拓当時の道具や家具など見学することが出来ます。

八王子千人同心移住200年を記念して、2001年に開館したそうです。

建物は、江戸時代末期に勇払に所在した勇武津会所の外観にちなんで建てられ、当時の生活をしのばせる調度品や資料を展示しています。

機織りしています。八王子は織物が盛んな土地です。

ちなみにブログ主は八王子市在住ですが、それを資料館館長さんに告げたら、目を丸くして驚いていましたね。

千人同心の縁で、苫小牧市と八王子市は姉妹都市になっていて、市長の行き来など公的交流は結構あるらしいですが。

資料館長さんも「一般のひとで、しかもこんな外れのところまで来るのは、本当に稀なことですよ」とブログ主の暇人ぶり?に驚いたようでした。

千人同心の像(苫小牧市民会館)

勇払地区を離れ、苫小牧駅、苫小牧港周辺に戻ってきました。制作者は本郷新氏、北海道の彫刻といえばこのひとを外せないんでしょうね。

千人同心の下には、乳飲み子を抱えて悲しそうな女性がいます。これがお梅さんですね。霊を銅像にしちゃったんですね。

王子製紙苫小牧工場

さて現在の苫小牧というと、製紙パルプ業や石油精製業などが盛んな産業都市です。その発展の基礎を築いたのが、王子製紙です。駅前5分くらいの土地に、苫小牧工場がどかんとある。駅から見える!

また駅前メインストリートは、王子通り、王子総合病院、王子アイスアリーナなど、何でも王子。これぞまさに企業城下町だわ?

元々人口3000人くらいの寒村だった苫小牧に、王子製紙が明治時代の終わり頃にやってきて、現在人口17万の都市を作っていったというイメージですね。

敷地内でうろちょろしてたら、やはり警備の人に見咎められ、つまみ出されましたw

王子軽便鉄道(通称「山線」)

駅前の王子製紙・苫小牧工場そばに、不思議な機関車が展示されていました。

千歳川上流にあった水力発電所への資材搬入や、支笏湖湖畔からの資源輸送のために使われたそうです。

後ろに客車があるのは、昭和天皇が皇太子時代に発電所視察に訪れた際に「貴賓車」として乗ったものを、改修したものらしい。

1951年に廃線になるまで使われたそうです。

苫小牧港

苫小牧港といえば、日本初の人工掘り込み港で知られます。チョキの形をした人工掘り込み港で、Y字の鹿島港と比較してみると面白い!

短いチョキの指で3キロ、長いチョキは10キロあるそうです!上のグーグル地図上の赤いマークが下の港の様子です。

苫小牧港は道内の物流の半分を占めているとか。まあ千歳にも札幌にも近いですからね!室蘭港とは地理的要因が違いますねえ。

コンテナ多いし、船もでかい!

また定期フェリー便も多いそうです。八戸、仙台、大洗、名古屋など様々!実は私も苫小牧からフェリーに乗ったことがありました。吉田拓郎の真似して。

吉田拓郎「落陽」

しぼったばかりの夕陽の赤が 水平線からもれている 

苫小牧発・仙台行きフェリー 

あのじいさんときたら わざわざ見送ってくれたよ 

おまけにテープをひろってね 女の子みたいにさ 

みやげにもらったサイコロふたつ 

手の中でふれば また振り出しに戻る旅に 陽が沈んでゆく

緑ヶ丘公園展望台

3階建ての展望塔です。

確かに市街地は一望できますね。

3階が展望台になっています。

遠くに石油タンクがありますが、苫小牧は石油の備蓄拠点としても有名です。

最初に行った勇払地区のさらに向こう側には、ジェット機が入るくらいの巨大な石油タンクが50以上あって、日本全国分の17日間分くらいを苫小牧だけで保てるらしいです。

苫小牧市役所

本郷新「緑の環」

高い位置で、しかも暗くてよく見えないですね。

苫小牧駅

同じものが苫小牧駅前にもありました!

本郷新「緑の環」

この高さならよく見える。

同様のものは近隣5つあるそうで、どれも微妙に表情が違うらしいですね。

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