小6上巻1回 予習シリーズ社会の徹底解説と暗記プリント

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目次

連合国軍の日本占領

GHQ(ゼネラル・ヘッド・クオーター:連合国軍総司令部)による日本占領政策が始まりました。

GHQの居城・第一生命ビル

ただ「連合国」と言いながらも、実質はアメリカによる単独占領でした。これは不幸中の幸いともいうべきことで、ドイツのような分割占領になっていた危険性もあったのです。

GHQマッカーサー元帥
  めじろ

分割占領になって半分をソ連に占領されたら、日本もドイツや朝鮮のような分断国家になっていた可能性がある。

こわっ!

政治の民主化

GHQによる占領政策・前半の方針は「日本の民主化・非軍事化政策」でした。まず日本の残存兵力は廃棄され、日本陸軍・海軍は消滅しました。

極東国際軍事裁判東京裁判)では開戦時の首相・東条英機らが「戦争犯罪人」として処刑されました。

「東京裁判」。裁判という形式をとっているが、「勝者による敗者への一方的な報復」「政治ショー」との批判も多い。

1946年の正月に、昭和天皇は自らの神格を否定したとされる「人間宣言」を発しました。ただし神格化云々に触れた部分は詔書の中のほんの一部に過ぎず、昭和天皇の本当の狙いは「五箇条の御誓文の原点に戻って、日本を立て直していこう!」というものでした。

昔の日本人は、本当に「天皇=神」だと信じてたの?

  めじろ

まさか!さすがにそういう人は少なかったと思うよ。当時は現代よりもずっと天皇を尊敬していたのは確かだけどね。

じゃあ「人間宣言」を聞いても、国民はそんなショックとか受けなかったのかな。

  めじろ

らしいね。当たり前のことを言われても「は?だから?」みたいな反応が多かっただろうね。

「人間宣言」よりも日本人に衝撃を与えたのは、この昭和天皇・マッカーサーの2ショット写真。1945年9月の第1回会見時の写真である。
  めじろ

マッカーサーは、ノーネクタイで腰に手を回してリラックスしまくっていた。

リラックスしちゃダメなの?

  めじろ

陛下の御前だからね。当時の日本人の常識では許しがたいことだった。

戦争、負けちゃったからね。

  めじろ

敗戦国のみじめさを日本人に痛感させた衝撃写真だったんだ。その衝撃は「人間宣言」の比では無かっただろうね。

戦前の最大の悪法とされた治安維持法が廃止され、女性の参政権が認められました。(1945年選挙法の改正→満20歳以上の男女

戦後初の総選挙で誕生した女性代議士(1946年)

経済と社会の民主化

農地改革・・戦前の農村では、農民の半分が自分の土地を持たない小作人でした。政府は農村を民主化するために、地主の土地を強制的に買い上げ、その農地を小作人に安く売り渡しました。これによって農民の8割が自作農となりました。

また財閥解体も行われ、日本の産業構造の変革が行われようとしていました。軍部と財閥は密接につながり、日本の軍拡を進めたと見なされました。むしろ軍とは対立することの多かった三井財閥までが解体の対象となります。

財閥の株券差し押さえを行うアメリカ軍
  めじろ

GHQは日本の産業力を解体しようとしていた。日本を農業国にしたかったと思われる。

なんでだろ?

  めじろ

日米戦の死闘で、アメリカは日本の軍事力の強さを思い知った。それで二度とアメリカの脅威とならないようにしたかったのだと思う。

1947年にそれまでの教育勅語に代わって、教育基本法が制定されました。「お国のため」の教育から、「民主主義」教育へと、一夜にして価値観が変わったのです。

子どもたちはとまどったんじゃないの?

  めじろ

だろうね。先生の言うことが180度変わってしまってはねえ〜。

青空教室。空襲で校舎が焼けたため、野外で授業が行われた。

青空教室って楽しそう!雨の日はどうしてたの?

  めじろ

休みになることが多かったみたい。

マジ?雨ふれ〜!

墨塗り教科書。GHQの指示によって、軍国主義的な記述は塗りつぶされました。(江戸東京博物館)
  めじろ

例えば「ススメ、ススメ、兵隊ススメ」とかはアウトなんだ。

GHQ統治下では、チャンバラ映画の上映まで禁止された。
終戦直後の学校給食。脱脂粉乳(スキムミルク)は「この世のものとは思えないほど不味かった」と子どもたちに嫌がられたそうである。
マッカーサーは次第に神格化され、帰国時には多くの日本人が見送りに駆けつけたという。

日本国憲法の成立

日本国憲法・・大日本帝国憲法を改正する形で、日本国憲法が制定されました。

憲法・公布の日→1946年11月3日文化の日
憲法・施行の日→1947年5月3日憲法記念日

日本国憲法では、「三大原則」なる考えが定着しています。これはシリーズ第3回で学習します。

国民主権
基本的人権の尊重
平和主義

なかでも平和主義を定めた憲法9条はよく知られます。

冷たい戦争と日本の独立

冷たい戦争

第二次世界大戦が終わると、アメリカを中心とする資本主義諸国陣営と、ソ連を中心とする社会主義国陣営の対立が表面化しました。このにらみあいを冷戦(冷たい戦争)といいます。

ドイツを東西に分断したベルリンの壁。冷戦の象徴となった。

朝鮮戦争

しかし1950年に朝鮮戦争が勃発し、冷戦は熱戦へと変わります。北朝鮮韓国に武力侵攻したのです。

朝鮮戦争で廃墟と化したソウル市内。
ソウルで戦う国連軍
ソウルを奪還する国連軍を再現(ソウル・戦争記念館)

ここに来て、GHQによる占領政策は大転換します。GHQの日本占領・後半の方針は「日本の再軍備・共産主義の防波堤」と変化しました。ソ連の脅威が迫る中、日本をアメリカとともに戦う強力なパートナーにしようと考えたのです。

警察予備隊(のちの自衛隊)の創設

再軍備って・・。平和主義の憲法を定めたばかりじゃん?

  めじろ

アメリカの都合で、国の方針がコロコロ変更させられたんだから、戦争に負けるってのは惨めなもんだね。

1951年には日本の占領を終わらすサンフランシスコ平和条約が結ばれました。また同日、独立後も米軍が日本にとどまる日米安全保障条約が結ばれました。

サンフランシスコ平和条約に署名する吉田茂首相。

もともと日本陸軍はソ連を最大の敵として満蒙を固め、共産主義の南下を防いでいました。

その日本を壊滅させたために、今度はアメリカ自身が前線に立ち、朝鮮戦争、ベトナム戦争といった共産主義との戦いをしなければいけなくなったのです。

ベトナム戦争を戦うアメリカ軍

第二次大戦後すぐの1946年に作られた「我等の生涯の最良の年」というアメリカ映画では、「この戦争(太平洋戦争)はしなくてもよい戦争だった」と語られています。戦う必要のない日米両国が死闘を繰り広げ、真の敵であったソ連共産主義を太らせ、冷戦を招く結果になったのです。

国際関係の変化

1956年、ソ連と日ソ共同宣言を結び、国交を回復しました。これによって、日本が国際連合に加盟する障害が無くなりました。

Patrick Gruban, cropped and downsampled by Pine, CC BY-SA 2.0 , via Wikimedia Commons
  めじろ

日本の国連加盟を妨害していたのはソ連だったんだよ。

まあ、ひどい。

  めじろ

冷戦の時代だったからね。アメリカと同盟を組んだ日本は、ソ連にとっては敵と見なされたんだ。

1965年には日韓基本条約を結び、韓国と国交を樹立しました。日本は併合時代に朝鮮に築いたインフラ・資産・権利を全て放棄しました。さらに当時の韓国の国家予算の2年分以上の資金を援助することになりました。

  めじろ

日韓併合はすべきじゃなかったね。

日韓基本条約、沖縄返還などを行った佐藤栄作首相。
首相官邸ホームページ, CC BY 4.0 , via Wikimedia Commons
1972年にアメリカから沖縄が返還された。

同じく1972年には中華人民共和国との間で、日中共同声明を調印し、国交を樹立しました。

日中共同声明を調印した田中角栄首相。
  めじろ

北京での交渉の際、角栄は中国の周恩来首相と言いあいになったらしい

周恩来

周恩来「日本軍によって、1100万人の中国人が殺された」

  めじろ

大げさに被害者ポジションを盛って、交渉を優位に進めようとするのは、中国のよく使う手だ。

田中角栄

角栄は猛然と反論した。「あなた方だって元寇の時に日本に攻めて来たではないか」

周恩来「あれはモンゴル人がやったことだ」

角栄「中国の福建省あたりから来寇した軍勢(南宋兵)も多かったよ」

さすがの周恩来も狼狽し、誤魔化すしかなかった。

周恩来「さすが田中先生はよく勉強してらっしゃる」

この時にパンダのランランとカンカンが来日し、大ブームを巻き起こしました。

ジャイアントパンダ
  めじろ

初めてパンダを知った時の衝撃は忘れられない。日本中が空前のパンダブームになったんだ。

そうだったんだ!

  めじろ

まさかこんな可愛い生き物がいるとは・・って感じだった。当時はどの家にもパンダのぬいぐるみがあったんだよ。

へー。可愛いもんね。

  めじろ

「パンダを使って相手国の国民の心をつかむ」 中国お得意の「パンダ外交」にまんまと引っかかってたわけだ笑

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