小5上巻1回 予習シリーズ社会の徹底解説と暗記プリント

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小5のシリーズは水産業の学習からスタートです。けっこう重要な単元にも関わらず、この1回だけで終了!となりますので、気合入れてマスターしたいところです。なおこの記事には魚の写真が掲載されています。苦手な人は見ないでください。

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目次

水産業と人々のくらし

水産業とは?

魚・貝・海藻などの水産物をとったり育てたりすることを水産業といいます。漁業ともいいます。日本は周りを海に囲まれ、日本近海にはおよそ3700種の魚が生息するといわれています。

日本の食生活と水産業

日本は昔から現在に至るまで、魚の消費量が多い国です。和食に魚は欠かせない材料であり、寿司、焼き魚、煮魚、天ぷら、かまぼこやちくわなどの練り製品など、魚を使ったいろいろな料理があります。

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練り物はすけとうだらやイワシの魚肉をすり潰して作ります。

日本人の魚好きの原因の一つとして、仏教の教えにより長く肉食が避けられていたことも考えられます。飛鳥の頃から「肉食禁止令」は何度も出され、明治維新まで大っぴらな肉食はタブーとされていました。一方で魚や鳥はOKということになってたので、そこから動物性タンパク質を得ていたのですね。

ただし近年は肉食が増え、魚の消費量を上回っています

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2011年に肉が魚を逆転
出典:水産庁HP

日本では減少傾向ですが、日本以外の世界では逆に増加傾向にあり、FAO(国連食糧農業機関)によると、世界の一人あたり魚介類消費量は過去半世紀で約2倍となっています。

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出典:水産庁HP

輸送技術の進化、人口増加、健康志向の世界的高まりなどが原因だそうです。確かに水産物は健康機能に優れていますね。イワシなどに含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)は血液をサラサラにする働きがあり、心臓病の予防になります。マグロなどに含まれるDHA(ドコサヘキエン酸)は脳の神経の働きを良くする効果やアレルギーに効果があることが知られています。近年サバ缶ブームもありましたね。サバはEPAもDHAも多く含み、しかも安価な健康食として人気が高まっています。女性にも人気だとか?

魚はどこでとれる?

魚がとれるところは?

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出典:農林水産省HP

日本の北の冷たい海からは寒流(千島海流など)が流れ、カニやサケ、サンマなど寒流魚がやってきます。南の温かい海からは暖流(日本海流、対馬海流)が流れ、マグロやカツオなどの暖流魚がやってきます。

寒流のグループ

f:id:mejirorock:20220123133201p:plainカニ

f:id:mejirorock:20220123133229p:plainサケ

f:id:mejirorock:20220123133250p:plainさんま

その他、すけとうだら、いかなど。

  

暖流のグループ

f:id:mejirorock:20220123133444p:plainマグロ

f:id:mejirorock:20220123133502p:plainカツオ

その他、アジ、タイなど。

  

二つの海流が出会う三陸沖から銚子沖にかけて潮目(潮境)といわれる場所には、餌になるプランクトンがたくさんいるため、魚が多く集まります。潮目の海の違いを体験出来る水族館としては、福島県いわき市のアクアマリンふくしまがおすすめですね。

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潮目

また東シナ海などには、傾きが緩やかな深さ200メートルぐらいの大陸棚という海底が広がっています。ここは太陽の光が届きやすく、プランクトンや海草が育ちやすいため、たくさんの魚が集まります。

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大陸棚

そのほか、日本海中央部には大和堆(海底の一部が台地となっていてプランクトンが巻き上げられるため、多くの魚介類が集まる)があります。

日本のおもな漁港は?

釧路港(北海道)・・かつては水揚げ高日本一だったこともあります。すけとうだらなどが多く水揚げされます。

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釧路港
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釧路和商市場の名物「勝手丼」。好きなものを自分で選ぶ!

八戸港(青森県)・・いかの水揚げ日本一です。

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八戸港。イカ釣り集魚灯が見えます。
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これが八戸名物のいかめし!

銚子港(千葉県)・・日本最大の水揚げ高を誇ります。沖合には潮目が近く、利根川からは栄養分の高い豊かな水が流れ込んできます。魚種も多種多様で、イワシ、サバ、サンマ、ヒラメ、キンメダイとなんでも獲れます。

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銚子漁港

焼津港(静岡県)・・カツオ、マグロなど遠洋漁業の基地です。

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焼津港

境港(鳥取県)・・港の名前は境港(さかいこう)と読みますが、市の名前は境港市(さかいみなとし)と読みます。日本海側では第1位の漁港で、カニが名物です。またアジの水揚げ量も多いです。

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境港のベニズワイガニ漁船。対岸は島根半島。
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境港直売センターの海鮮丼。やっぱり主役はカニだった。

枕崎港(鹿児島県)・・薩摩半島南部の漁港。日本有数のカツオの水揚げ漁港です。カツオ節生産は日本一。

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枕崎の朝。冷凍させたお魚をベルトコンベアで運びます。
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とりあえず枕崎のカツオが食べたかった。

どうやって魚をとるの?

絵や写真で漁法、または魚の種類を問う問題も頻出です。

(まぐろ)はえ縄・・浮きをつけた長い縄に餌をつけて、マグロを釣り上げます。はるか遠い南太平洋やインド洋で行われてきました。

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まぐろはえ縄

餌は冷凍サバやイワシで、はえ縄の長さは100キロにも及び、2000本の針がついています。

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まぐろは血抜きをされた後に−60度で瞬間冷凍されます。
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冷凍マグロ

(カツオ)一本釣り・・一本の釣り糸で一尾ずつ魚をとります。

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高知県のカツオ一本釣りが有名です。

カツオの群れを発見すると、撒き餌のイワシとともに放水をします。泡だつ海面をイワシの群れと勘違いしたカツオは、狂乱状態になって入れ食い状態となってくれます。漁は大体30分ほどが勝負だといいます。

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カツオって死ぬと縞が入るんですよね。

一本釣りはカツオだけではありません。たとえば青森県の大間ではマグロを一本釣りでとります。

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大間岬 マグロの一本釣りのモニュメント

また大分市佐賀関(さがのせき)では速水の瀬戸とも呼ばれる豊予海峡(大分と愛媛の間の海峡)付近で育ったアジやサバを一本釣りでとります。これらは「関あじ・関さば」として高級ブランド化されています。

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関あじ
出典:大分帰省中, CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons

豊予海峡は水温の変化が少なく、潮流が速いため、この地域で生育する魚は身が締まっているとされます。また海底の起伏が複雑なため、魚網を使わず一本釣りにすることで魚にはストレスも傷もつかず、鮮度が落ちにくいと言われています。


(さんま)
棒受け網・・強い光でさんまやアジなどを呼び寄せます。

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サンマが光に集まる性質があることを利用した漁法です。まず船の左側の集魚灯を照らして、いったんサンマを集めます。「わ〜い!明るいの大好き!」その間に船の右側に網をセットしておきます。

次に船の左側の集魚灯をいっせいに消灯します。サンマはびっくりします。「え!どうしたの?

仕上げは船の右側の集魚灯を照らして、サンマを集めます。「わ〜い!明るいの大好き!」しかし右側には網のワナがあるのでした。「ぐわ〜!引っかかった。俺としたことが」・・という感じです。

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巻きあみ・・魚の群れを囲み、イワシ、サバなどをとります。

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真夜中に港を出た漁船は、魚群探知機を使って魚の居場所を探します。夜明けごろに漁が始まり、長さ400mの網で魚の群れを囲い込みます。

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イワシの群れ。巻きあみは群れる魚を一網打尽にするのに向いていますね。

定置あみ・・海岸そば(2〜5キロくらい)の定まった場所に網を設置し、回遊する魚群を誘い込んで漁獲します。

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巻きあみのような魚を追いかける漁法と異なり、過剰漁獲になりにくく、環境に優しい漁法といわれています。サケ、マス、ブリ、イワシ、アジ、サバなど比較的浅い海を泳ぐ魚をとるのに適しています。

底引きあみ・・海底にいるカレイなどをとります。

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本来獲ろうとしていた魚以外も根こそぎとってしまったり、サンゴ礁の破壊など海底環境の悪化につながったりする懸念が指摘されています。そのため許可制とされ、資源保護のための規制がなされています。

漁業の種類は?

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出典:水産庁HP

沖合漁業・・・水揚げ高が一番多い漁業です。やや大きめの船(20~150トンほどの動力漁船)を使い、一般的に2~3日かけて200㎞くらいの海で行う漁業です。まき網漁法でイワシ、サンマ、サバ、アジ、底びき網漁法でエビ、タコ、ズワイガニなどを獲ります。

沿岸漁業・・・小型船で、近くの海で日帰りで行う漁業です。家族経営で行っていることが多く、獲る魚の種類や漁法もさまざまです。沿岸の開発による水産生物の減少や環境の変化によってその生産量自体は次第に減っています。工場排水などによって海水中のプランクトンが大量増殖して、魚が呼吸できなくなる赤潮の影響も受けやすいですね。

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赤潮が発生!

養殖漁業・・・魚・貝・海藻などを人の力で育てて増やす漁業です。自然環境の変化を受けにくいため、安定した供給を維持できます。ただし沿岸漁業と同様、赤潮などで全滅する危険性もあります。

遠洋漁業・・・大きな船を使い、大西洋や太平洋、インド洋などの遠くはなれた海で行う漁業です。短くて1ヶ月、長ければ1年もの長い日数をかけて行われます。マグロのはえ縄漁業やカツオの一本釣漁業を行っています。遠洋漁業の漁業生産量は、平成以降は漁船漁業全体の1割ほどになってしまいましたが、かつては4割を占めており、世界に冠たる存在でした。山口県下関市は遠洋漁業の基地として栄え、プロ野球チーム(現在のベイスターズ)の本拠地があったくらいなんですよ。

減っている漁獲量

1970年代・・遠洋漁業の減少

重要なのはかつて世界を席巻した遠洋漁業の低迷ぶりですね。その理由は2つ。記述できちんと説明できるようにしておきましょう。

①1973年の中東戦争をきっかけに、石油(それまでは水同然だった)の価格が大幅に上がる石油危機が起きました。そのことによって、燃料を大量に使う遠洋漁業は大きな打撃を受けたのです。

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石油危機。トイレットペーパーを買いあさる騒ぎが起きました。

②1977年から、多くの国々が自国の沿岸から200カイリ以内の海を排他的経済水域とし、外国船の漁業を制限するようになりました。そのことによって、漁場がせばめられ遠洋漁業は大きな打撃を受けたのです。ちなみに1カイリの長さは1852m。200カイリは約370kmで、東京〜京都の直線距離に相当します。

1990年代・・沖合漁業の減少

沖合漁業で主に漁獲されるイワシ、アジ、サバ、サンマなどは一度に大量に漁獲できます。が、これらの魚は海水の温度など、環境の変化の影響を大きく受けやすいため、漁獲量は時々で大きく変わります。90年代以降のマイワシの激減ぶりと、沖合漁業の低迷ぶりが完全にリンクしていますね。

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出典:水産庁HP

つくり育てる漁業

養殖漁業

養殖漁業は計画的に出荷できるため、収入が安定しやすいです。波の静かな入り江などで行われます。ただし餌代が多くかかったり、赤潮の被害を受けたりすることなど、やはりいいことばかりではありません。

ほたて貝の養殖・・北海道のサロマ湖や内浦湾、青森県の陸奥湾で盛んです。生息適温は5℃〜19℃の冷水だそうです。天然稚貝をロープにくくりつけ垂下して、二年ほどで水揚げできます。

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一本のロープに100個以上のホタテをくくります。
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のりの養殖・・佐賀など有明海や、兵庫の淡路島で盛んです。

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のりの養殖。一日のうち何時間か太陽に当てます。

有明海の引き潮の時、支柱に張った養殖あみが海上に姿を現します。これを干出(かんしゅつ)といいます。太陽と潮風に当たることで、病原体も吹き飛び、甘味のある風味豊かな海苔に育っていくのです。

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焼き海苔とご飯。この食べ方がやはり最高。

かきの養殖・・広島県宮城県岡山県で盛んです。かきイカダで垂下して、約三年育てます。三年経つと一本のロープは重さ200kgにも育っているそうです。

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かきフライ食べたい。
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真珠の養殖・・愛媛県宇和海沿岸、三重県志摩半島、長崎県大村湾などで盛んです。温かく波が穏やかな海にイカダを組んで育てていきます。

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アコヤ貝という貝の中に、真珠の元になる「核」を挿入して、二年ほどで美しい輝きの真珠が生まれます。

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うなぎの養殖・・静岡県の浜名湖が有名ですが、大規模生産をしている鹿児島県が全国1位です。私たちが食べるうなぎは、99%以上養殖です。

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うなぎはシラスウナギといわれる稚魚を捕獲して、養殖池で半年から一年半ほど育てます。シラスウナギは最初は透明で爪楊枝くらいの大きさなのを、最後は200g〜300gくらいの大きさまで育て出荷します。

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近年問題になっているのはシラスウナギの漁獲量の減少で、絶滅の恐れすらあるそうです。こうした中、国の研究機関が、人工的に卵からシラスウナギを誕生させる完全養殖に成功しました。近畿大学でも実験が順調に進み、光明が差してきています。

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うなぎ食べたい。

金魚の養殖・・奈良県の大和郡山市が長く全国一位でした。現在は愛知県弥富市に抜かれたそうですが。

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奈良盆地は雨が少なくもともとため池が多かったため、それを養殖池に転用したようですね。大和郡山では金魚すくいの全国大会も行われています。

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栽培漁業

自然状態では魚の稚魚は、生まれて1週間でほとんどが食べられてしまいます。成魚になれるのは数万匹に一匹といわれています。漁獲量を増やすため、まず魚の卵を返し、水槽などである程度大きくして、川や海に放流することが行われています。これを栽培漁業といい、成魚になるまで育て切る養殖よりも餌代が少なくすみます。

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水産物が届くまで

魚は鮮度が大切なので、漁港に水揚げされた後は保冷トラックで日本各地に運ばれていきます。発泡スチロールの中に氷を入れて商品を冷却します。魚市場ではせりが行われ、買い取られてお店に届けられます。魚介類を売る時には、天然・養殖の区別、産地や海域を表示することが義務付けられています。

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水産業の今

水産業の今

1990年台前半まで、日本の漁獲量は世界一でした。しかし現在では中国が世界一位、インドネシア、インド、ロシア、ペルーなどが多く、日本は全盛時の3分の1程度に衰退してしまいました。漁業で働く人の高齢化や後継ぎ不足などが問題になっています。

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漁業の高齢化問題
出典:水産庁HP

増える水産物の輸入

日本では水産業の衰えとともに、水産物の輸入が増え、今では消費量の半分を輸入に依存しています。

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出典:水産庁HP

サケ・マス類はチリやノルウェーから、カツオ・マグロ類は台湾、中国、マルタなどから、エビはベトナム、インド、インドネシアなどから輸入しています。東南アジアではエビの養殖池を作るために、マングローブ林を伐採して環境破壊につながっていると批判の声が上がったこともあります。

海の資源を守る努力

森林を伐採しすぎてしまうと、森の栄養分が川を通じて流れなくなり、海が痩せてしまうという現象が起こります。かつて宮城県の気仙沼湾、北海道の襟裳などでこういった事例が発生しました。気仙沼では牡蠣が、襟裳では昆布が壊滅してしまいました。

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暖をとるために森林を伐採し尽くし、「襟裳砂漠」といわれる状況になった

そこで漁師たちが山に入り、落葉広葉樹を植樹して、森を再生させようという運動が始まりました。気仙沼では「森は海の恋人」という標題も生まれ、環境は再生しつつあります。

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