小4下巻14回 予習シリーズ社会の徹底解説と暗記プリント

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目次

家畜から得られるものは?

家畜を飼って、肉・牛乳・卵などを生産する農業畜産といいます。畜産は今回初めて習う用語ですね。特に牛乳や乳製品をつくる農業を酪農といいます。

畜産農家

畜産は日本人の食生活の洋風化がおこった高度経済成長期の1960年代から発達しました。

がっつり、こってり洋食

乳牛・・乳牛の半分以上は北海道で飼育されています。那須高原などの涼しい地域がある栃木県小岩井農場で有名な岩手県などでも多く飼育されています。広くて冷涼な気候が飼育に適しています。

岩手山(南部富士)と小岩井の一本桜
小岩井農場のソフトクリーム

ホルスタインはオランダ〜ドイツ原産の乳牛です。世界で最も多く飼育されている乳牛です。

白と黒のまだら模様の乳牛をホルスタイン種といいます。

ホルスタインは性格は温和で、寒さに強く暑さに弱いのが特徴です。1日に20〜30ℓの牛乳をしぼることができます。

ホルスタインの仔牛
  めじろ

牛乳も季節によって味が微妙に変わるんだよ。

そうなの?全く気がつかないけど。

  めじろ

一般に夏はあっさり、さっぱりした味わい。冬はこってり、コクがある味わいになると言われているよ。

なんでそうなるの?

  めじろ

乳牛は暑いのが苦手だから、夏は食欲が落ちて乳脂肪分が下がる。 反対に冬は牛が食欲旺盛になることや、エサのバランスが変わることから、乳脂肪分が高くコクのある味わいに変化するんだよ。

北海道で生産される牛乳は、関東などで生産されるものに比べてバターやチーズなど乳製品に加工される比率が高くなります。

  めじろ

北海道は大消費地から離れているから、飲用乳としてよりも乳製品に加工してしまう場合が多いんだ。

北海道は生乳より乳製品!

肉牛

肉は「かみかみ」で覚える!
かみかみとは、鹿児島県宮崎県のことです。

 1位 北海道 2位 鹿児島 3位 宮崎

  めじろ

・・・・北海道が1位だから多分だろう。その後に、かみかみ(鹿児島・宮崎)があるから、肉牛だろう!

なるほど

肉牛(黒毛和牛)

1991年から牛肉が輸入自由化され、外国(アメリカ、オーストラリアなど)の安い牛肉が自由に輸入できるようになりました。

やった!お肉が安く買えるのね。

  めじろ

でも畜産農家は大変だよ。安い輸入牛肉と厳しい競争をしなければならないから。

値段で勝てないならば、味で勝負!・・ということで国内農家はブランド牛と呼ばれる品質の高い高級牛肉を生産する農家が増えています。

神戸ビーフは、本当にとろけそうで美味かった!
米沢牛(山形県)のランプステーキ
松阪牛(三重県)のすき焼き、いただきます!

ぶた・・ぶた肉は長い間、供給量が1位でした。近年はとり肉に抜かれています。

ぶたさん

 1位 鹿児島 2位 宮崎 3位 北海道

・・・・これはかみかみ(鹿児島・宮崎)があるから、です。「ぶたがかみにキタ!」と覚えましょう。

鹿児島の肉厚黒豚トンカツ

にわとり・・肉用の肉用若鶏と、卵をとる採卵鶏に区別します。

 1位 宮崎 2位 鹿児島 3位 岩手

  めじろ

上のベスト3は肉用若鶏か?採卵鶏か?わかるかな?

宮崎・・鹿児島・・「肉をかみかみ」。わかった!肉用若鶏ね!

  めじろ

正解!

宮崎名物・地鶏の炭火焼

 1位 茨城 2位 千葉 3位 鹿児島

  めじろ

こちらは採卵鶏のベスト3だよ。

関東の県が多いわね。

  めじろ

卵は近郊県での生産が多いんだよ。なぜか分かる?

近郊農業・・新鮮さを保つためかしら?

  めじろ

そうだね。卵は肉と違って冷凍保存に向いてないしね。あとは卵は長距離の輸送にも向いてないんだ。

そうか。運んでる途中で割れちゃうかもしれないしね!

肉の管理についてはトレーサビリティという用語も覚えておきましょう。食べ物などが、いつ、どこで生産され、どのようにして消費者まで届いたのかを調べることができる仕組みです。

お肉を買う時にチェックも可能。
個体識別番号で確認することができます。

日本では2000年代前半にBSEという牛の伝染病が見つかったことから、トレーサビリティの仕組みが整備されました。

畜産農家の一日

STEP
そうじ(午前5時)

まずは牛が夜のうちに出した糞(ふん)や尿(にょう)を片付ける作業から行います。通路を掃いたり、寝床の敷料をきれいなものに交換するなどして清潔な牛舎を保ちます。牛の糞は一日20~40Kg。尿は一日6~12ℓにもなるそうです。牛のふん尿は発酵させて「たい肥」とよばれる肥料にすることも可能です。

そうじは牛たちの健康のためにとても大切な作業です。
STEP
えさやり(午前6時)

家畜に与えるエサを飼料といいます。牛には牧草やとうもろこしなどの穀類を食べさせます。とうもろこしは、実だけでなく、葉や茎も飼料になります。
一日に食べる量は牧草だと約50〜60kgとたくさんの量を食べます。また60~80ℓの水を飲みます。

STEP
搾乳(さくにゅう)(午前8時)

エサやりの次は搾乳の時間です。消毒した後に、ミルカーと呼ばれる搾乳機をつけて行います。搾乳は朝と夕方に一日2回に分けて行います。一日に20〜30ℓの牛乳をしぼることができます。搾乳は毎日365日、一日2回しなければならない大変な仕事です。

また家畜を伝染病から守るため、限られた人しか牛舎に入ることは出来ず、出入りする自動車も必ず消毒します。これは口蹄疫(こうていえき)という伝染病の予防として重要です。

口蹄疫は伝染力が極めて強い伝染病です。いったん感染が始まると、その場所の家畜をすべて殺処分するしかなくなってしまいます。2010年に宮崎県を襲った口蹄疫によって、30万頭近い家畜の命が奪われてしまいました。

畜産をめぐる問題と工夫

  めじろ

よく間違える問題を一つ紹介します。

「畜産農家の数は減っており、農家一戸あたりの飼育数も減っています」→さあ、これは正しいか、誤っているか?

→正しい!となんとなく思ってしまいますよね?

でも、これは誤っています。正しくは

「畜産農家の数は減っているが、農家一戸あたりの飼育数は増えています」

  めじろ

これがどういうことか、説明します。

①今、農家が四戸あるとします。大農家小農家が二戸ずつあります。

農家A(100頭) 農家B(100頭)

農家C(10頭)     農家D(10頭)

四戸全て合わせて240頭います。今、農家一戸あたりの飼育頭数は何頭かと言うと・・

240を四戸で割り算すると、一戸あたり60頭になります。

240÷4=60。割り算くらいできます。

②さて、この後、外国から安い肉が輸入されてきました。競争はきびしくなりました。①の四戸の農家の中で生き残るのはどれだと思いますか?生き残れるのは・・・

農家A(100頭) 農家B(100頭)

そう、普通に考えると苦しくなるのは小農家ですね。力がもともとある大農家が生き残ります。

さて二戸合わせて200頭います。今、農家一戸あたりの飼育頭数は何頭かと言うと・・

200を二戸で割り算すると、一戸あたり100頭になります。

200÷2=100。

つまり「畜産農家の数は減っている(四戸→二戸)が農家一戸あたりの飼育数(60頭→100頭)は増えている」のです。

  めじろ

要は、競争がきびしくなると、小規模農家は苦しくなるので農家の数は減りがち。そしてたくさんの家畜を所有している大農家は生き残れる可能性が高いので、農家一戸あたりの飼育頭数は増える傾向にあるのです。

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