
第1回〜第3回までは身近な生活に関する内容で、それほど本格的な「中学受験社会」というような内容ではないです。ただし国学院久我山や中大附属など、生活系の知識を出題するのが好きな学校もあり、身の回りのことに関心は持っていたいものです。
囲炉裏は伝統的な日本の家屋に設けられたスペースです。床を四角く切って、灰を敷き詰めます。部屋の中央に置かれて部屋中を暖めたり、自在鉤に鍋や鉄瓶をつるして調理をしたり、衣服の乾燥をしたり、家族の団らんの場になったり、さまざまな機能がありました。

かまどは土間などに作られた調理設備です。かまどの発明によって、調理者は高温の裸火に晒されることなく、安全に調理が出来るようになりました。またより高温の炎で調理することができるようになりました。朝鮮半島では、かまどから発生する煙の熱気を利用したオンドルという暖房システムも発達しました。

洗濯の昔と今
昔は水をたらいに入れて、石鹸と洗濯板で洗濯をしていました。左手で洗濯物を押さえて、右手で洗いたいところを力いっぱい擦り付けました。

出典:©Jnn。, CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons
昔は大家族ですから全部洗い終えるまでに、3〜4時間もかかる重労働だったといいます。明治時代から昭和時代の中期まで使われていました。

出典:金沢くらしの博物館
洗濯や炊事などで使う水は、水道が整備される前は井戸から汲み上げていました。井戸もつるべ式や手こぎ式など様々に変化していきました。つるべ式は江戸時代から昭和初期まで使われた井戸で、つるべという桶に長い縄をつけ、滑車を利用して井戸水を汲み上げていました。


出典:金沢くらしの博物館
手こぎポンプは明治時代から昭和30年代まで広く使われました。映画「となりのトトロ」でも登場してたので、見たことのある子もいるかもしれません。

1960年代から電気洗濯機が登場します。↓は初期の電気洗濯機で、一槽式です。ローラーが付いていて、これで脱水することができました。シワがつきやすく、ローラーの回し方にはコツが必要だったようです。

しかし電気洗濯機の登場で、洗濯の時間はなんと50分程度に短縮されます。このことを作家の重兼芳子氏はエッセイの中で「一生のうちで最も忘れられない感動」であったと書いています。
二槽式洗濯機は昭和40〜50年代に活躍します。一方で洗濯した後に、脱水槽に移し替えます。脱水が機械化され、かなり楽になりました。今でも二槽式は人気で販売されています。

出典:金沢くらしの博物館

出典:金沢くらしの博物館
こちらは現代のドラム式洗濯機です。乾燥機能が優れているものが増えてきました。

こちらはコインランドリーです。一人暮らしなどで家に洗濯機がない人には便利です。洗いにくい布団などの大きなものも洗えます。

電気洗濯機と電気冷蔵庫、白黒テレビは「三種の神器」と言われて、1950年代後半(昭和30年代)から普及。多くの国民が買い求めました。もともと「三種の神器」とは、天皇家に伝わる「鏡・玉・剣」の三つの宝物のことです。

情報を得るための機械の昔と今
電話
最初の電話はハンドルを回して通話しました。耳に当てて音を聞くところと、口を近づけて話すところが別々です。

初期の電話は話したい人の電話に直接つながらず、電話局の交換手を通じてつないでもらっていました。

↓世界水準を大きく上回る純国産の電話機です。「だるま」や「黒電話」の愛称で親しまれました。

このように昔の電話はダイヤル式でした。ですから親しい友人の電話番号などは暗記していたものです。固定電話のため、外出してしまうと連絡がつかなくなることがありました。昔の待ち合わせはすれ違いや待ちぼうけが多く、大変でした。もっともそれが当たり前だと思ってましたけど。
だんだんとプッシュ式が主流になってきました。

↓子機というものが出てきて、他の部屋で電話できるようになったんですよね。

今は固定電話のほかに、携帯電話が広く用いられるようになりました。
初期の携帯電話。ショルダー式で大きい!

小型化、軽量化したムーバにより本格的な携帯時代が始まりました。

デジタル化によるクリアな通話品質と低料金でPHSは爆発的にユーザーを増やしました。

現在広く使われているスマートフォンは、電話だけでなくメールやインターネットなどさまざまな機能があります。

ラジオとテレビ
ラジオ放送は大正時代の1925年に放送が始まりました。情報を一度にたくさんの人に伝えることが出来ます。これをマスコミュニケーションといいます。

ラジオは災害の時に役に立ちます。電池で動くので、停電しても聞くことができるのです。手回しで発電できるタイプのラジオも発売されています。

テレビ放送は昭和時代の1953年に放送が始まりました。

現代のテレビは、デジタル放送で高精細な画像を大画面で楽しむことが出来ます。

多くの情報の中で
身の回りの多くの情報
コンピューターやインターネットの普及で情報を素早く入手したり、または自分から情報を発信出来るようになりました。

便利になった反面、個人情報の管理に注意する必要が出てきました。インターネットは世界中につながっています。誰が見ているかわからない。ホームページやブログなどに個人を特定できてしまう情報や、知られたくない情報を安易に掲載することは危険です。またインターネットでショッピングをする際も、悪意をもって個人情報を盗みとろうとするサイトがあるので注意が必要です。

個人情報でなくても、多くの人が見ているブログやSNSでは発言に注意が必要です。不用意に人を不快にさせる書き込みをしてしまうと、多くの批判に晒されること(いわゆる「炎上」)があるので気をつけましょう。

インターネットは便利ですが危険な面も多いので、子どもは一人では使わず、必ず保護者の管理の元に利用するようにしましょう。

くらしに欠かせない電気
いろいろな発電

火力発電は天然ガス、石炭、石油などを燃料とします。燃料を燃やした時に発生する熱で蒸気を起こし、タービン(羽根車)を回転させて発電します。

現在の日本では、約8割を火力発電に依存しています。しかし火力発電は、発電の際に大気汚染や地球温暖化の原因となる物質が出てしまうなどの問題点もあります。
地球温暖化とは空気中の二酸化炭素の割合が増えることによって、地球全体の気温が上がることです。それによって南極北極の氷が解けて、海面が上昇し、住めなくなる地域が増えることが心配されています。また気候変動によって、水害や干ばつなどの災害につながることも危惧されています。

原子力発電の燃料はウランです。ウランに核分裂を起こさせた時に発生する熱で蒸気を起こし、タービン(羽根車)を回転させて発電します。

原子力発電の長所は、火力発電と違って、発電時に二酸化炭素や大気汚染物質を排出しないことです。

問題点は事故が起きた際に、放射性物質がもれる危険性があることです。2011年3月11日に発生した東日本大震災では、福島第一原子力発電所から大量の放射性物質がもれる事故が発生しました。
水力発電は、水をダムなどの高いところから落として水車を回し、水車とつながった発電機で電気を起こします。

水を利用するので燃料は必要なく、二酸化炭素や大気汚染物質を排出することもありません。

風力発電は風の力で風車を回し、その回る力を電気に変える発電方法です。風の向きや強さが安定している地域に適していて、高地や海沿いの地域に多く造られています。

太陽光発電は太陽の光エネルギーをパネルの中の光電池に集め、電気に変える発電方法です。建物の屋上などに設置されて、住宅用の電源としても普及し始めています。

電力はどうやって送られるの?
発電所で作られた電気は、高い電圧のまま送電線で送られます。送電線は高い鉄塔に支えられています。

変電所では電圧を必要に応じて下げて、工場や家庭に送電していきます。

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