小5上巻3回 予習シリーズ社会の徹底解説と暗記プリント

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今回から小5の最初の山場である「日本の工業」に突入します。まずは今回は工場の分類から覚えていきます。

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目次

工業とは?

工業は主に二種類に分類することができます。重化学工業は、重工業と化学工業を合わせた呼び方です。重工業は比較的重い金属や機械などをつくる工業で、化学工業は石油や石炭などの原料を化学的に変化させて製品にする工業です。現在、日本の工業生産額のうち約4分の3を重化学工業が占めています。

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一方、軽工業は比較的軽いものをつくります。せんい、食品などです。戦前の日本は軽工業中心で、特にせんい工業がさかんでしたが、現在では軽工業は日本の工業生産額のうち約4分の1程度になっています。

金属工業

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出典:経済産業省ウェブサイト

鉄鋼業(製鉄業)

金属工業の中心が鉄鋼業です。鉄はかつては「産業の米」と呼ばれ、今なお産業の発展に欠かせないものです。

鉄鋼の原料は鉄鉱石コークス(石炭)、石灰石です。日本は石灰石以外ほとんど自給出来ないので、海外からの輸入に依存しています。そのため製鉄所の多くは原料の輸入や製品の輸出に便利な臨海部につくられています。

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北海道・室蘭市の製鉄所。湾の水深が深いので、大きな船も出入りしやすい。

鉄鉱石オーストラリアやブラジルから、専用の運搬船で運ばれます。この茶色い山が鉄鉱石です。鉄鉱石も色々銘柄があります。茶色っぽいのはオーストラリア産、灰色っぽいのはブラジル産だそうです。

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鉄鉱石の山
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コークスは石炭を約1000℃〜1300℃の高温で蒸し焼きにし、乾かしたもので、自然の石炭より発熱量が高くなります。石灰石は鉄から不純物を取り除くはたらきをしています。

色分けで覚えましょう。茶色は鉄鉱石、黒は石炭、白は石灰石です。

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日本製鐵室蘭製鉄所

これら原料をベルトコンベアで高炉まで運びます。高炉は製鉄所の象徴のようなものです。

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高炉(千葉県君津市)

高さ約100mの巨大な高炉の中で、鉄鉱石と石灰石、コークスはミルフィーユ状に交互に積み重ねられます。

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具が鉄鉱石、石灰石、コークスのミルフィーユ!?

次に高炉の下から約1200℃の熱風を送って中のものを溶かします。炉内温度は2000℃にもなり、溶解が進むと、重い鉄だけが下に沈んできます。

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このように取り出した溶けた鉄を銑鉄と言い、1500℃以上あります。銑鉄はまだ炭素などの不純物を含んでいるので、トーピードカーという特殊な貨車で転炉に運ばれます。

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トーピードカーで銑鉄を運びます。
出典:そらみみ, CC BY-SA 4.0 via Wikimedia Commons

転炉の中で酸素を吹きつけることで、頑丈な鋼が出来上がります。その後は圧延という作業で板状に成形されます。

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転炉へと!

製鉄所の工場内部は、夏場は場所によっては気温50℃にもなるそうです。過酷な職場ですね。工員さんたちの挨拶は「ご安全に!」だとか。

製鉄所の分布図・・・太平洋ベルト全般にあります。原料の鉄鉱石と石炭を船で運ぶため、臨海部に立地しておかないといけないのです。太平洋ベルト以外では北海道の室蘭に注目しておいてください。

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吸収と合併が進んでほぼ三社体制になってしまってますね。ちなみに日本製鉄の呉製鉄所は2023年をもって閉鎖されることが決まっています。

その他の金属工業

日本はかつてはアルミニウムの生産も世界有数でした。ただしアルミニウムの生産には大量の電気が必要です。「電気のかんづめ」と呼ばれていたほど。そのため石油危機以降、アルミニウム工業は衰退し、現在はほとんどの需要を海外からの輸入か、国内のアルミ缶のリサイクルでまかなっています。

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アルミ缶はリサイクルしよう!

国内最後のアルミニウム製錬工場(日本軽金属工業の静岡県蒲原工場)も2014年に老朽化のため、閉鎖されてしまいました。この工場は富士川に自前の水力発電を持っているという強みがあったのですが。

機械工業

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出典:経済産業省ウェブサイト

自動車

機械工業は日本の工業生産額の半分を占め、日本の産業の中心です。その中でも最大の生産額を誇るのが自動車工業です。日本は中国、アメリカに次ぐ世界3位の生産台数を維持しています。

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ガソリン車は約3万の部品から出来上がっています。部品の多くは専門の関連工場でつくられ、その後に組立工場で組み立てられます。関連工場は組立工場が必要な時に、必要な分だけ部品を納入します。部品が足らなくなることも無く、部品の置き場所に困ることも無い無駄のないシステムが取り入れられています。日本で始まったこのような方式をジャストインタイム方式(JIT)といいます。

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組み立て工場では、ベルトコンベアによる流れ作業が行われています。溶接や塗装など危険な作業は産業用ロボットが行います。自動車の出来るまでを見ていきましょう。

STEP
プレス

プレスは鉄板を切り取って、ボンネット、ドア、車の天井などの型をつくることです。

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プレス
STEP
溶接

溶接は各部品を産業用ロボットの出す電気やレーザー光線の熱で溶かして、つなぎ合わせることです。

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溶接
STEP
塗装

塗装では美しいツヤを出すために4回重ね塗りします。

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塗装
STEP
組立

組立は人の手でメーターやエアコンなどの部品を取り付けていきます。エンジンなどの重い部品に関しては、ロボットの力で取り付けます。

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組立

自動車工業の分布図・・・東海地方(愛知・静岡)に集中していたら自動車と覚えましょう。

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トヨタのイメージから愛知県に注目しましょう。広くて安い土地を求めて、北関東などの内陸部にも立地しています。群馬県太田市のスバル自動車も有名ですね。

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自動車工業は海外での生産が進んでいます。特にアジア諸国は土地代や人件費が日本よりも安く済むため、多くの自動車会社が海外に生産拠点を移しています。

船をつくる工業を造船業といいます。日本の造船業はかつては造船量世界1位でした。もともと日本は戦前から巨大戦艦を建造する技術があった上に、エネルギー革命の到来で大型タンカーの建造ラッシュが起きて、波に乗れたんですね。しかし現在は中国・韓国に次ぐ3位です。政府支援を受けた両国の低価格攻勢にやられて、停滞している状況が続いています。

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日本史上最大のタンカー「日精丸」(全長379m)の模型

造船業の分布図・・瀬戸内地方長崎県に集中していたら造船業と覚えましょう。入り江が深く波が穏やかなリアス海岸は大型船の建造に適してします。また外での作業も多いことから、晴天日数の多い地域が選好されます。

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広島県呉市では有名な戦艦大和が、長崎市では大和型二番艦・武蔵が建造されています。

集積回路(電子工業)

集積回路は複雑な電気回路を小さくまとめた電子部品です。電気を通したり、通さなかったりする半導体を用いて作られます。綺麗な水・空気という清浄な環境が必要で、東北や九州にも多く、それを消費地まで飛行機や高速道路を利用して運びます。東北自動車道沿いは「シリコンロード」、そして九州全体が「シリコンアイランド」と呼ばれていました。

家庭用電気製品

掃除機、冷蔵庫、洗濯機などをつくります。自動車工業と同様に、海外生産を進める会社が増えています。

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化学工業

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出典:経済産業省ウェブサイト

石油化学工業が中心です。石油を原料として、さまざまな製品をつくる工業です。

原油はタンカーで運ばれた後、石油精製工場で燃料油やナフサを取り出されます。ナフサが原料となって、石油化学工場でさまざまな製品に加工されていきます。

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各工場はパイプラインで結ばれており、このような仕組みを石油化学コンビナートといいます。

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石油化学工業の分布図・・太平洋ベルト全般にあります。これは原油をタンカーで運ぶため、輸入に便利な臨海部に立地しておかないといけないためです。

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鉄鋼業との区別は室蘭にないことで見分けましょう。

軽工業

食料品工業

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出典:経済産業省ウェブサイト

軽工業の中では最も生産額の多い工業です。農産物・水産物を工場で加工して、さまざまな食料品をつくります。都道府県で言うと北海道が出荷額全国1位で、水産加工や農畜産加工などが盛んです。意外にも愛知県も強く、洋生菓子は全国トップなのです。

食料品工業のうち、米や麦、大豆などを微生物のはたらきを利用して発酵させ、酒やしょうゆ、味噌などをつくる工業を醸造業といいます。

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神戸・灘の白鶴酒造資料館

よう業

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出典:経済産業省ウェブサイト

土や石、粘土を焼いたり、溶かしたりして陶磁器やセメント、ガラスなどをつくる工業です。漢字は窯業と書きますが、窯とは「かま」のことですね。窯業は漢字で書けなくても大丈夫です。

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陶磁器

特殊な原料を焼き固めたファインセラミックスは電子部品やナイフ、人工骨などに利用されます。

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セラミックス製のナイフ
出典:SlonikkinolS, CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons

セメント工業・・青森と山口の、本州の端と端に分布していたらセメント工業と覚えましょう。セメント工業は原料の石灰石が自給出来るため、石灰石の産地のそばで発達しています。

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青森県の八戸には「八戸キャニオン」という広大な採掘場があります。

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青森県八戸の石灰石採掘場「八戸キャニオン」

山口の石灰岩はカルスト地形で勉強したことがありました。国定公園から採掘はしないでしょうけど、この地域が石灰岩の豊富な地方だということはわかりますね。

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山口県秋吉台のカルスト地形

製紙・パルプ工業

紙の原料となる木材を細かく砕いたものをチップといいます。

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製紙工場のチップの山

チップを薬品で溶かしてつくられたせんいがパルプといい、これが紙の原料となります。

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静岡県富士市は日本有数の製紙の町。富士の手前に製紙工場が見えます。
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富士市はトイレットペーパー生産日本一です。

製紙業はリサイクルも盛んで、一度使った古紙も紙の原料とされます。現在、紙の約3分の2は古紙からつくられています。

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段ボールもリサイクルできる。

水や木材チップなどの資源が確保しやすい場所が工場の適地です。北海道、静岡、愛媛などに注目しましょう。

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せんい工業

糸や織物をつくる工業で、戦前は日本の主力輸出産業でした。植物や動物を原料とした天然せんいと、石油などからつくられる化学せんいがありますが、現在はほとんど化学せんいが占めています。

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化学せんい(ポリエステル)

中国やベトナムなどアジア諸国で安価な衣類が作られるようになったため、輸入が増えています。みなさんの持ってる服にも「Made in China」と書かれているのではないでしょうか。

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天然せんいは種類と原料を結びつけて覚えていきましょう。

綿(コットン)は綿花から綿糸を作り(これを紡績業といいます)、シャツや肌着など綿製品がつくられます。

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綿花
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Yシャツ

(シルク)は蚕のまゆから生糸をつくり(これを製糸業といいます)、ネクタイや織物など光沢のある絹製品がつくられます。

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まゆから生糸をとります。
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美しい生糸。戦前の日本の輸出製品でした。
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光沢のあるネクタイです。

(ウール)は羊毛を原料に、温かいセーターなどの毛織物がつくられます。

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羊さん
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毛糸のセーターです。

またスーツ(背広)生地もウールが代表的です。

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伝統をいかした工業

日本各地で長年(100年以上)受け継がれて、手作りで作られている製品を伝統的工芸品といいます。経済産業省という国の役所に認定されると、伝統証紙がつけられ、国や都道府県の援助を受けることが出来ます。伝統的工芸品の個々の品目については上巻後半の地方別地理で学習していきます。

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伝統証紙
出典:経済産業省ウェブサイト
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輪島塗です。

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