小5下巻8回 予習シリーズ社会の徹底解説と暗記プリント

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今回は戦国から安土桃山時代です。ここからが近世の始まりとなります。日本史の中でも人気のある時代で、この回だけ生き生きとする子もいます。それもそのはず英雄・豪傑が次から次へと出てくる時代で、世界史の中でもこれだけの英雄が集中して出現した時代は珍しいのではないでしょうか。

★さらに覚えやすい!暗記カード

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目次

信長と秀吉

「鳴かぬなら殺してしまえ、ホトトギス」(by織田信長)

こわっ!

  めじろ

これは江戸時代に信長・秀吉・家康の三武将の性格の違いを詠んだ歌です。織田信長は激烈な性格で、怒らすと怖いキャラとして歌われているね。

本当にこんな凶暴なキャラだったの?

  めじろ

比叡山延暦寺と対立して、焼き討ちをした印象が強いんだよね。仏をも恐れぬ大魔王のイメージがついちゃった。

お寺を焼いたんだ〜しかも延暦寺!

  めじろ

信長は結構優しいところもあるんだけどね。家来の豊臣秀吉が浮気して奥さんが激怒した時に、慰めの手紙を書いてあげたりもしたし。

「鳴かぬなら鳴かせて見せよう、ホトトギス」(by豊臣秀吉)

豊臣秀吉は自信家なのね。

  めじろ

まあ有言実行タイプだね。もともと身分が低かったから、強烈に自己アピールして、信長に認められたんだ。

冬の日に信長の草履をふところに入れて温めたんだよね。

  めじろ

そうそう。ゴマスリが上手いんだよ。

戦国大名とその政治

応仁の乱の後、身分が下の者が実力で上の者を倒す下剋上の風潮が強くなり、これまでの守護大名に代わって、その家臣などが戦国大名として成り上がりました。応仁の乱後100年を戦国時代と呼びます。

越後の龍と言われた上杉謙信像(春日山城)。その戦上手は軍神と言うのにふさわしい。

戦国大名は領地を広げるため、他の大名と争いました。また自分の領地を豊かにするために、産業を育成し、治水にも力を入れました。金山や銀山を開発し、交通網を整備するなど領国の発展に努めました。

石見銀山の龍源寺間歩の坑内

また戦国大名は分国法(家法)と呼ばれる法律を、領国内で定め、統治の基本としました。分国法の多くは御成敗式目をベースとしています。

甲斐の虎こと武田信玄像(甲府駅前)。信玄と謙信こそが戦国時代の両横綱。
信玄と謙信の両雄が一騎打ちを行なったとされる「川中島の戦い」
甲府に行ったらとりあえず信玄アイス。
遅れてきた英雄が仙台の伊達政宗(仙台城)。馬上少年過ぐ。

ヨーロッパとの出会い

1543年、種子島にある中国船が漂着しました。そこに乗っていたポルトガル人によって、日本に鉄砲が伝わりました。やがて鉄砲は国産されるようになり、堺(大阪府)や近江・国友(滋賀県)で盛んに作られるようになりました。

南蛮船の模型(堺市博物館)
足軽鉄砲隊(堺市博物館)

1549年、イエズス会の宣教師・スペイン人のフランシスコ=ザビエル鹿児島に上陸し、日本にキリスト教を伝えました。

フランシスコ=ザビエル

鹿児島での布教はうまくいかず、平戸(長崎県)に移り、そこではある程度の布教に成功します。

平戸のザビエル記念聖堂。
平戸は南蛮貿易の拠点となっていきます。

ザビエルは天皇に布教許可を求めるため京都に向かいますが、応仁の乱で廃墟となった京都を見て失望。その後は中国地方の実力者・大内氏に期待をかけ、山口で布教活動を行います。これはある程度成功しました。山口では今もザビエルを「サビエル」と呼ぶんですね。ちなみに山陽小野田市にはミッション系の「サビエル高校」と言う学校もあります。

山口市の聖サビエル記念公園。
この地に日本初のキリスト教教会「大道寺」があったと伝わります。
Lumi iori, CC BY-SA 4.0 , ウィキメディア・コモンズ経由で

その後は大友氏(後にキリシタン大名となる)を頼って、大分で布教しています。そのうちに資金が尽き、ザビエルは2年半の布教を終えて、インドへと帰還していきました。

インド・ゴアのボムジェズ教会。
1552年に中国で死去したザビエルの遺骸は、2年後にこの教会に移されました。

ザビエルが去った後も九州中心にキリスト教は広まっていき、戦国大名の中でも入信するキリシタン大名が出現しました。ポルトガル人やスペイン人らカトリック系西洋人を南蛮人と呼び、彼らとの貿易を南蛮貿易といいます。

イエズス会の本拠地・ローマのジェズ教会。ここにザビエルの右手の遺骨が安置されています。
イエズス会がつくった大学が上智大学です。

織田信長の政治

尾張国の小さな戦国大名であった織田信長は1560年、桶狭間の戦い今川義元(駿河国)を破りました。

織田信長像(岐阜駅前)

その後、足利義昭を室町15代将軍に立てて京都にのぼり、天下統一を目指します。1573年には仲違いした足利義昭を京都から追放し、室町幕府を滅ぼします。

信長が使用した「天下布武」の印の復元(岐阜城資料館)

1575年には織田・徳川家康(三河国)連合軍は、三河・長篠の戦いで鉄砲を効果的に利用し、甲斐国の武田勝頼を破りました。

長篠・設楽が原の馬防柵の復元
長篠合戦絵巻。馬防柵の左側が織田・徳川連合軍

1576年には琵琶湖南東岸に天守閣を持つ巨城の安土城を築きます。

安土駅前の信長像
安土山から琵琶湖を望む。この山の頂上に安土城天守閣は建てられた。
安土城天守閣の復元(安土・信長の館)

信長は安土の城下町で楽市楽座を行い、座の特権を廃止し、市場の税を免除しました。さらに関所を廃止し、商工業を活発にしました。

信長が岐阜城下で出した楽市令の高札の復元(国立歴史民俗博物館)
楽市楽座の様子(岐阜市歴史博物館)

しかし天下統一を目前にした1582年、本能寺(京都)滞在中の信長は、家臣の明智光秀に謀反を起こされ、無念の自害をしました。これを本能寺の変といいます。

京都・本能寺の信長公廟

豊臣秀吉の全国統一と政策

本能寺の変の時、備中高松城で毛利軍と戦っていた羽柴秀吉(後、豊臣秀吉)は信長の死を知るやいなや、毛利と和議を結び、強行軍で京に引き返しました(中国大返し)。

備中高松城跡。本能寺の時に、秀吉はこの地で毛利軍を水攻めで包囲していました。そこに「信長死去」の急報が舞い込んできて、「明智討ち」を決断します。

そして「山崎の戦い」で明智軍と決戦を行い、勝利をおさめました(明智討ち)。

豊臣秀吉像(兵庫・有馬温泉)
秀吉の正室・北政所ねね(兵庫・有馬温泉)
天王山から眺めた山崎の決戦場。

天王山と言う言葉は、今も「勝敗や運命の重大な分かれ目」と言う意味で使われますね。「夏期講習は受験の天王山だ」とか、よく言われます。

天下分け目の山崎の戦い。
かくて光秀の天下は「三日天下」で終わりました。

信長の後継者として頭角を表した秀吉は、石山本願寺跡地に大阪城を築城し、拠点としました。1585年には関白に、翌年には太政大臣となり、朝廷の権威でもって天下に号令をかけました。

大阪城。今のお城は三代目です。

1590年、最後まで秀吉に従わなかった小田原の北条氏を討伐し、全国統一を成し遂げました。

小田原城。謙信や信玄でさえ落とせなかった。

秀吉は江戸時代につながる経済・社会政策を行なっています。地方によって異なっていたますものさしを統一した全国共通基準の土地調査(太閤検地)を行いました。これによって古代以来続いていた荘園制は完全に消滅します。

また京都に大仏を作るという口実で、農民から刀や鉄砲などの武器を取り上げました。この刀狩令の狙いは一揆の防止などで、結果として兵農分離が進みました。

秀吉による刀狩令の複製(国立歴史民俗博物館)

秀吉が行った外征が「文禄・慶長の役」です。秀吉の野望は国内統一では飽き足らず、明国を征服しようと考えます。そのための道案内として朝鮮国に協力を求めましたが断られたため、1592年と1597年の二回に渡って出兵しました。テキストには「朝鮮侵略」とありますが、本来の目的は明国の征服であって、交戦したのも主に明国軍です。この戦いは当時は「唐入り」と呼ばれていました。

秀吉は朝鮮出兵の拠点として肥前・名護屋城を築いた。(佐賀県唐津市)
唐津の地に大阪城に負けない巨城が築かれたという。(佐賀県立名護屋城博物館)
秀吉が名護屋城に作った黄金の茶室。秀吉らは夜な夜な遊興に耽っていたという。(佐賀県立名護屋城博物館)
朝鮮が使ったとされる亀甲船。(佐賀県立名護屋城博物館)
史料は残っておらず空想による復元。
慶長の役で日本に損害を与えたことで英雄となった朝鮮の李舜臣将軍。ちなみにその戦いで戦死。李舜臣の肖像は残っておらず、空想による肖像。(佐賀県立名護屋城博物館)

この出兵での影響として、朝鮮陶工の来日による技術の伝播が挙げられます。有田焼、薩摩焼、萩焼などがその影響下にあります。特に有田焼を始めた李参平は、今も有田の地では崇拝の対象となっています。

有田の泉山陶石場。李参平はここで良質の陶石が取れることを発見しました。
有田の陶山神社は鳥居まで陶磁器!
有田の陶山神社はお守りまで陶磁器!
朝鮮の李参平は陶山神社の御祭神として、大切にまつられています。

桃山文化

信長から秀吉の頃に栄えた文化を桃山文化といいます。仏教の影響が少なく、南蛮文化の影響が強いことが特徴です。豪華で雄大な文化です。

狩野永徳「唐獅子図屏風」
(宮内庁三の丸尚蔵館)
姫路城

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